皆さんこんにちは、『チーム【RSP-01 の声を宇宙から受信してみよう！】』です。
2021年3月14日、国際宇宙ステーションから、野口宇宙飛行士によって 宇宙へ放出された ”RSP-01”も、宇宙空間に出て３ヶ月が経過しました。
本日は、理系じゃなくても！何歳でも！誰でも！簡単に「宇宙のRSP-01からの声」＝モールス信号が聞ける方法をお伝えしていきたいと思います！
ぜひこれをきっかけに、興味を持っていただけると嬉しいです！

まずは、皆様に準備頂くものがあります！
こちらです↓↓

材料

(必要な物と場所)
PC / インターネットが繋がる場所
Web SDR (Web software defined radio　以下Web SDR)

それではサクッと簡単に説明していきますね。
まず、RSP-01 の声（モールス信号）はアマチュア無線周波数電波を利用して聞くことが出来ます。
しかし、日本の地上局だけで RSP-01 の電波を受信（ダウンリンク）できるのは地球の周りを 90 分で 1 周している間の1回、私たちの上を人工衛星が通過する10 分の間だけになります。短いですよね。
その先は地平線の向こうにいってしまうと地面に遮られ、また人工衛星との距離が遠すぎて電波が届かず、受信することが出来なくなってしまいます。
そこで、日本以外の国の上空を飛んでいる人工衛星の観測を続けるために Web SDR を使います。 そして、Web SDRの設置されている場所（グリッドロケーターGL）の設定を変更して、 RSP-01 のモールス信号を何時何分に受信できるかを CALSAT32 で確認します。
あとは、受信できる時間の少し前に PC の前で、Web SDR からモールス信号が聞こえてくるのを待つだけです！

と、ここまでであらかたRSP-01の声を聞くための一番簡単な方法をお伝えしてきました。
でもこれだけを見ると、専門用語だらけで一体どうしたらいいか分かりませんよね？
ということで、今度は専門用語をいくつか説明していこうと思います！

まず初めは『Web SDR』

今回 RSP-01 の声を聞くうえで一番大事なところです。
Web SDR があれば、特別な機器（こちらについてはまた別途ご説明致します）がなくてもRSP-01 の声（モールス信号）を聞くことが出来ます！

では Web SDR とは？？
Web SDR を簡単に説明すると、『世界各地にある無線設備が受信したアマチュア無線の信号をインターネット経由で聞くことが出来る』というものです。
先ほどもお話した通り、日本の地上局だけでは人工衛星の電波を受信できるのは、地球の周りを 90 分で 1 周している間の1回、私たちの上を人工衛星が通過する10 分の間だけです。
でも Web SDR を使うことで、世界各地にある無線設備で聞けるアマチュア無線の信号をインターネット経由で見聞きできるので、無線受信機を持っていなくても衛星の信号をインターネットで受信することが出来るというもの。

これは世界中のアマチュア無線の有志の方がSDRを公開しているために出来ることなので
す！（世界はアマチュア無線で繋がっている☆）

こちらはイギリス局の画面をスクリーンショットしてみた画像です。
例えば、日本の上を通ったときにはうまく聞き取れなかったモールス信号を、移動した先の
国で受信して聞き取りしたいときなどにも使えます。

WebSDR へのアクセス↓ 
http://www.websdr.org/   

RSP-01 のダウンリンク周波数は 145.81MHz です。 
（周波数の帯域について知りたくなった方はこちらをご覧下さい）   

『グリットロケーター（GL）』
グリットロケッターとは、地球上での位置を経度・緯度を基準に 6 行の英字・数字で表し
たもの。GL と略して表示されていることもあります。
主に無線通信で無線局の一の概略を示すために使われているものです。

『 CALSAT32 』 (詳しい使い方については次号をご覧ください)
Web SDR で受信する前に、衛星がいつ私たちの上空を通るかなどを調べなくてはなりませ
ん。そこでCalsat32 をダウンロードします。
http://jr1huo.my.coocan.jp/jr1huo_calsat32/Download.htm
RSP-01 を追尾するために必要な情報（TLE）を登録し、Space Trak の情報を元に更新し
ます。

『 TLE 』とは Two Line Elements の略
衛星の番号や軌道の形、その軌道のどこに衛星がいるかを表しています。

『 Space-Track 』（スペーストラック）は
人工衛星やスペースデブリの軌道情報を公開しているサイトです。
https://www.space-track.org/auth/login （米空軍が運用する軌道物体監視サイト）
で調べると出てきます（要ユーザー登録）。

2021/5/26　0:46（日本時間）のRSP-01のTLEは、
1 47925U 98067SB 21144.79172755 .00008735 00000-0 15451-3 0 9994
2 47925 51.6423 97.6694 0001668 343.0979 16.9955 15.51151921 11106
でした。

RSP-01の声

いかがでしたか？

最後に、『RSP-01 の声（モールス信号）を聞くと何ができるか？』についてお話し致します。 RSP-01 は『ピーピピー』と無意味に声を発しているわけではありません。
モールス信号に載せて、「わたしは RSP-01 です」「いま何℃です、電流はこれくらいですよ（これを『ハウスキーピングデータ＝HK データ』といい、衛星の各パーツの状態のことを指しています)」などを発しています。

RSP-01 が日本の上空を離れてしまったあとも、Web SDR を使えばリーマンサットの
声から今の衛星の状態を知ることができます。

RSP-01 の声を聞くことに慣れてきたら、ぜひデコード（衛星のピーピピーをモールス信号
の数字とアルファベットに変換）して、さらにハウスキーピングデータなどを知りたい方は
こちらのテレメトリーを参照してみてください！

RSP-01 テレメトリーフォーマット(Formats of telemetry)

耳を澄ませば、RSP-01 の声が聞こえる。
良かったら、聞いてみてください！
衛星の声を聞く以外にも、宇宙のことに興味が出てきたらリーマンサットメンバーになるのも愉しいですよ！

※RSP-01 の声（モールス信号）＝CW　の送信について
・電力収支によりCW送信⇄CW停止を繰り返します。充電量に余裕がないときはCW送信はお休みします。
・地上局を通過する可視時間によっては、24時間アップリンク出来ずCWが停止することがあります。
・事前に告知せず、CWを停止することがあります。

CWの送信有無や衛星運用については、リーマンサット公式Twitter「#Selfieshnow」タグにて随時tweetしています。

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【この記事を書いたメンバー】

広報部 オウンドメディア課　ピーチ
武道派文系妖怪ピーチです。
多分別の星から来ました⭐️
地球上の食べ物征服を目論んでおります！

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【この記事を書いたメンバー】

広報部 技術広報課 池田 愛
一児の女児を子育て中、兼パートタイマー。宇宙に興味を持ったのは、つい最近の去年から。ただ今猛勉強して、技術部でお役に立てることが何かないか模索しています。