「子衛星（人工星座）を放出する」というミッションを掲げるRSP-02。そのミッションは物理的な機構が必要になります。それも結構なスペースを必要とします。
その内部配置の検討、それは読んで字の如く内部の配置。内部の、配置（何回言うんだ）。リーマンサットが手掛ける人工衛星は今のところ全てCubeSat（キューブサット）と呼ばれる10cm x 10cm x 10cmのサイコロ型です。この中にいつも全部詰めます。それで重量が1.33ｋｇ以下を目指します。重量はさておき、今回は配置検討の難しさをお伝えしたいと思います。RSP-02の熱・構造系で内部配置の検討をしているMさんにお話を伺いました。

Mさんの事を少し紹介・・・。
入ったきっかけ：前々から知っていて、オンライン参加が出来るようになった為参加。宇宙が好きだから。
所属：RSP-02　熱・構造系（H系）　H系には「CAD出来る人募集」に応募して加入
好きなモノ：宇宙、飛行機、電車
活動の楽しさ：メカメカした放出機構のモデルが見られたこと。

【補足】「系」とは

この記事では「衛星開発プロジェクトを行うために、機能や役割ごとに技術部内で分かれているグループ」のことを、「系」と呼んでおります。
熱・構造系は、「衛星に加わる熱の制御とフレーム（筐体）の設計・開発」を役割としています。

CAD図さまざま

リーマンサットのメンバーは「能力」ではなく「気持ち・意思」を優先で所属を決められます。なので日々CADを描いてる人、過去にCADを触った事がある人、全く触った事無い人が入り混じってそれぞれ３D図面を書きます。（実は筆者も参加しておりますが、それはもう見せられたモノじゃないです。見ないでください、見ないでください）

それをMさんが上手にまとめて配置してくれます。それぞれの描いたモノが一つに！感動します。確かに筐体内に収まってる？様を見ると人工衛星の一部を自分が担っているのだと思えるような気が薄っすらとします。それを合格ラインまでMさんが仕上げてくれてます。有難い！そして「入る・入らない問題」に当たったとき各CAD描きさんに「ここがぶつかってますので修正お願いします」などのお願いを投げます。それを繰り返して収め切ろうといているところです。

入る・入らない問題

見た目で一発で分かるコレが基本で全てな感じ。部品は全部入ってるのか。部品同士がぶつかってないか。まずここで苦戦します。スペースの関係で部品を変更するの勿論あり、泣く泣く部品（機能）を削る場合もあります。何を残すか、どこまで配置換えで入れる事が出来るのか。日々検討しています。「ここぶつかってるよ」「ここはコッチの方が良いのでは？」などが飛び交ってます（アツい人が日々チェックしてくれるのです！）

実際RSP-02の検討では基板配置には悩まされました。RSP-02内部には三枚の基板があり、それぞれ電源系（P系）、C&DH系（C系、コマンド・データ制御系）、ミッション系（M系）基板と呼ばれています。その三枚がうまく入らない泣
あれこれ考えました。M系基板にはカメラ基板も付くので難解を極めにいく勢いでした。

普段のお仕事が構造系の人でもそうでなくても、人工衛星の内部を考える人は多くないので、みんな新鮮さをもって取り組んでいます。それ故に分からない事も多いですが「部品の向きって理由があって決まったりしてるんだ」と新しく学ぶ事も多いです。その挑戦と学びがリーマンサットの醍醐味と思います。また、Mさんは「熱意で運営されてるリーマンサット。熱意のあるメンバーが趣味という完全自由行動の環境でチームワークを上手く生んでいるのがここの魅力」とも言っておりました。

楽しみながら手を取り合って進めていくリーマンサットです。僭越ながら筆者もモノづくり屋の端くれとして熱・構造系チームに所属しておりますがいつも楽しく学ばせていただいております。どんな愚問でも気軽に聞ける雰囲気。そして相手も何も嫌がらずに教えてくれる（むしろ聞いた事以上教えてくれる）。前向きな熱意ある仲間が沢山います！人工衛星を構築しながら、他の何かも成長していけそうなステキな熱・構造系の内部配置のお話でした。

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とても気軽に入ったり出たり戻ったりできるサークルなので是非！