「#工場活動日記」は、超小型衛星RSP-03チームの「工場」での活動備忘録です。
「工場」とは、リーマンサットが借りている町工場の一室で、開発スペースのこと。
リーマンサットメンバーが汗水をたらし、徹夜を越えたこの「工場」から、超小型衛星RSP-00、01が宇宙へ飛び立ちました!

2023年4月2日(日)

日記当番:おすぎ
天気:晴れ
活動人数:9人
お昼ごはん:中華
おやつ:翁飴(新潟土産)、ぐんまちゃんクッキー(群馬土産)、そのほか色々

しばらく活動日記書けていませんでしたが、その間に衛星に搭載し、実際に宇宙に行く部品たちが続々と入荷してきました。

■本日のお品書き

-PM(プロジェクトマネージャー)交代
-フライト基板の部品実装チェック
-通信系基板のフィルタ定数調整
-電源系基板動作確認
-姿勢制御系基板動作確認
-クラウドファンディングリターン品作成

PM(プロジェクトマネージャー)交代
前任者の仕事の都合により、RSP-03PMプロジェクマネージャーが4月から交代しました。
RSP-03チームは新PMとともに、今後も全力を尽くして衛星を作り、軌道上からRSP-03の音楽を届けます。

フライト基板の部品実装チェック
人工衛星に搭載して実際に宇宙に行く基板(FM:Flight Model)が入荷しました。
今回は基板業者にお願いして基板製造+部品実装(はんだ付け)を行ってもらいました。
地上で使うのであればこの状態でも問題はないですが、温度環境や打ち上げ時の振動環境が厳しい宇宙でも耐えられるように、本業で航空宇宙機器の製造に携わっていたメンバーに基板の仕上がり状態をチェックしてもらいました。
調整が必要な個所は後日調整を実施します。

通信系基板のフィルタ定数調整
通信系基板にはコイルやコンデンサで構成されたフィルタ回路がいくつも載っています。
これらのフィルタは使用する周波数に合わせて微調整する必要があります。
測定器(VNA:Vector Network Analyzer)を使ってフィルタの特性を確認し、部品を載せ替え、もう一度測定器で特性を確認し、部品を載せ替え・・・の繰り返しです。
地味な作業ですが地上-衛星間の通信を確立させるために重要な作業です。
こちらに使っている部品は1608サイズ(1.6mmx0.8mm)や1005サイズ(1.0×0.5mm)なので、顕微鏡をのぞきながら部品の載せ替えを行います。

電源系基板動作確認
電源系基板もFM品が入荷しましたので、動作確認を行いました。電源系基板はEM(Engineering Model、FMの前の試作品)で回路にミスがあったので修正を入れています。
入荷後にまずは修正箇所を確認し、正しく直っていることを確認できました。
一安心です。
写真は太陽電池からの入力を模擬し、バッテリに充電できるか確認している様子です。
本日の確認でバッテリへの充電及びバッテリからの放電が設計通りに動いていることが確認できました。

姿勢制御系基板動作確認
姿勢制御系もFM基板が入荷しました。
まずは基板にプログラムを書き込み、プログラムが正しく起動するかを確認しました。
この後リアクションホイールや磁気トルカを動かすためのドライバが搭載される予定です。
写真中央の青い基板が姿勢制御系基板です。

クラウドファンディングリターン品作成
今年1月から2月にかけておこなわれたクラウドファンディングは皆様の温かいご支援により無事に達成できました。
あたらめて御礼申し上げます。
リターン品の一つ、RSP-03デザインカードを作成しました。
こちらのデザインカード、基板に数点の部品をはんだ付けすることで光る機能を実現しています。
一枚一枚丁寧に部品を載せて製作しています。

2023年4月9日(日)

日記当番:ともえ
天気:晴れ
活動人数:10人
お昼ごはん:蕎麦
おやつ:タニタ食堂監修のおせんべい他

■本日のお品書き
-基板の改修
-基板の動作確認
-電源系、太陽電池パネル基板の設計
-通信系、PFM基板で無線の出力確認
-姿勢・ミッション基板(AMボード)の動作確認
-磁気トルカの通信ラインを動かせ!
-通信・CDH基板(TCボード)の動作確認
-温度センサから値が取れない?!犯人はソフトウェアか!
-パケットソフトウェアの入力確認(途中)
-広報も手を動かす


基板の改修
C&DH基板の改修でコネクタの予備はんだ準備を行いました。
もう少し詳しく言うと、コネクターの予備はんだ(金メッキ除去)準備です(超難しい)。

通信系、PFM基板で無線の出力確認等
BBMv2基板を用いて先週特性改善検討を行ったLPFの新定数を反映してPA入力端~アンテナコネクタ端の通過特性を確認しました。
またPFM基板を用いてトランシーバICのゲイン設定を可変しながらアンテナコネクタ端で送信出力の確認を実施しました。

広報も手を動かす

猫の手も借りたいので、広報のともえも急遽デバック基板の準備ではんだ付けを行いました。
パーツが小さすぎて目がしょぼしょぼする・・・

2023年4月16日(日)

日記当番:ともえ
天気:曇り
活動人数:10人
お昼ごはん:中華
おやつ:お芋の川越銘菓ぽくぽく、チョコレート等

■本日のお品書き
-姿勢・ミッション基板(AMボード)の動作確認
-通信・CDH基板(TCボード)の動作確認
-ミッション系、AI(magenta)作曲プログラムの実装
-熱サイクル試験準備、温度ロガー動作確認
-安全審査資料を書いた
-通信系進捗

姿勢・ミッション基板(AMボード)の動作確認
これにて全ての基板で姿勢制御ソフトウェアの起動に成功です!

通信系進捗
先週から引き続きPFM基板で無線の出力確認を行いました。
また、SpaceFrameの実機動作確認を行いました。
その他
・PFM基板を用いて送信系ゲインバランスの最適化
・PFM基板を用いて受信系フロントエンド部の通過特性確認
・ミッション系 デジトーカーコマンドプログラム実装
を行いました。

2023年4月23日(日)

日記当番:おすぎ
天気:晴れ
活動人数:6人
お昼ごはん:ネパールカレー
おやつ:ノースマン(北海道土産)

■本日のお品書き
-T/C基板調整
-恒温槽動作確認
-電源系基板動作確認
-真空チャンバ動作確認

T/C基板調整
T/C基板のうちT系(通信系)部分の調整を行いました。
コンデンサやコイルの定数を調整し、フィルタの特性を最適化しました。

恒温槽動作確認
宇宙環境では太陽が当たるときと当たらないときで激しい温度差にさらされます。
地上で予め高温状況や低温状況で正常に動作が行えるか試験を行うための装置が恒温槽です。
装置の中を設定した温度に維持できるので、この装置の中に衛星を入れて高温や低温の試験を行います。
前回うちあげた超小型衛星RSP-01もこの装置で温度試験を実施しました。
久しぶりに使うので試運転を行いました。

電源系基板動作確認
各系の基板が揃ってきたので、これらの基板を結合させてテストベンチ(地上試験用の衛星モデル)を組み立てました。
衛星にはバッテリが搭載されていますが、バッテリは充放電を繰り返すと寿命がどんどん縮まります。
宇宙に行く前にバッテリの寿命を縮めないために、地上試験中はアンビリカルケーブルと言って外部からケーブルを接続して電源を供給します。
写真は外部からの給電で衛星が動作するか確認している様子です。

真空チャンバ動作確認
真空環境下に持っていくと地上では動いていた可動部分や摺動部分が固着してしまい、動作しなくなってしまうことがあります。
そのため、地上で予め真空状態で動作するかを確認するための試験装置が真空チャンバです。
RSP-01で使っていた真空チャンバが不調となってしまったため、ミニ真空チャンバを用意し動作確認を行いました。

開発が忙しく、なかなか日記をしたためる時間も取れなくなってきましたが「今が気合の入れ時」と開発メンバーみんな日夜、手を動かし頑張っています。

次回の工場活動日記もお楽しみに!
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宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。
https://www.rymansat.com/join
開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。


【この記事を書いたメンバー】

技術部 RSP-03 C系 / 電源系 / 通信系 / 地上局系 おすぎ

 


【この記事を書いたメンバー】

広報部 オウンドメディア課 &RSP-03外部公開系 トモエ モエ
リーマンサットCBO(C:最高 B:ビール O:責任者)
好物はビールと焼肉


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