こんにちは、超小型衛星RSP-03チームです。
「ハモるん開発記」では、リーマンサットでの衛星開発がどのように行われているのかを、ハモるんことRSP-03の開発各系ごとにご紹介します。
「ハモるんって?」「”系”って?」という疑問があるかたは、文末へどうぞ!

先月の進捗報告はこちら→(リンク:ハモるん開発記:超小型衛星RSP-03進捗2024年1月

2024年2月のハモるんと03メンバー

・ハモるん爆誕

2024年2月1日未明、ハモるんのキャラクターデザイン誕生☆
詳しくはD(デザイン)系の項目でご覧ください。

・FM*筐体の本組を開始しました
*FM:フライトモデル、実際に宇宙へ放出されるモデル、Flight Model。

振動試験前、ハードウェア的には開発最終段階に入りました。

それでは、2月の各系進捗です。

M(ミッション)系

・G(地上局)系と、現時点で実装済のコマンドについて結合テスト実施。結果はほぼテストが通り良好。特に音楽のダウンロードコマンドが通ったことが確認できたのが大きい。
・デジトーカ音声をメンバーから募集、FM用SDカードに格納。
・SSTV画像送信プロトコルとして, PD120に加えてrobot36でも送信できるように修正中。
コマンドの一部修正(赤経赤緯情報取得とSSTV2送信モード対応)、SSTV用データ変換と格納、テストベンチで動作を確認。
・宇宙ポストのお願いごとをSDカードにFMのSDカードに格納。

C&DH(コマンド&データハンドリング)系

・FM基板の温度試験を実施。クロック入力部接続のコンデンサの値とファームウェアの設定により、室温〜60℃の範囲においてTOBC(通信用マイコン)とCOBC(コマンド系OBC)のクロックがいずれも期待通り動作することが確認。2月下旬に温度試験を再実施し、マイコンの動作が-20〜60℃で安定することを確認した。

・アンテナ展開後・テレメトリ生成の処理を実装。異常対処(アンテナ展開中に電源や温度の異常が発生した場合の処理)の実装を追加開始。

T(通信)系

・予備免許受領!
JARD(日本アマチュア無線振興協会)で本試験を実施。
2台とも試験をPASSし、同日予備免許通知書を関東総合通信局で受け取った。

人工衛星局「JS1YOY」

詳しくはこちらをどうぞ→「超小型衛星RSP-03から放出される電波の品質チェックをしてきました

・落成検査を実施、無事パスした。
当日は関東総合通信局の方立会いのもと、衛星相当の局の電気的特性のほか、送信機の対比照合、無線従事者資格、備え付け書類(予備免許通知・申請書類写し)の確認を実施した。

検査証上は未了になってるが、衛星放出後に残りの試験を行ったうえで正式免許が発行される。宇宙から試験電波を発射する事が認められたので(地上でアンテナから電波を出す事は認められない)、打ち上げに対して問題ない状態になった。
衛星放出後に地上局との疎通確認を行う総合動作試験にパスすると、本免許が発行される
(今は仮免許のようなもの)。

・CCSDS DownLinkの実装完了。
・恒温槽を使って、基板の温度を少しずつ変えたときのRF特性(電波の品質)確認を実施。問題なし。

P(電源)系

・バッテリ用配線のテスト実装を行った。
・バッテリ2直化完了。FM1式用2セット、バックアップ用2セットの合計4セットの2直化が完了。

A(姿勢制御)系

・磁気トルカの動作確認を実施。
・ソフトウェアは姿勢安定と磁気トルカ動作を終了。地上局からAOBC(姿勢制御用マイコン)のパラメータが変更できるように修正するソフトを作成。
・ハードウェアは デバッグしてシリアル通信ができるようになった。摩擦の影響が大きい可能性があるので、少し検討の余地あり。リアクションホイールの動作確認は治具で確認する予定。

H(熱・構造)系

・衛星安置・輸送用の固定治具の治具が完成。

・組立手順の確認及び手順書の確認。
・アンテナAssy, A系デバイスAssyの本組みを行った
・磁気トルカの固定が要因なのか、Y軸磁気トルカがショートしているような挙動が見られた。一度バラしてチェックしたが真因特定には至らず、現象の再発は無し。
*Assy:assembly、部品単体ではなく複数が組み合わさった構成部品を指す

G(地上局)系

・M(ミッション)系とG(地上局)系の結合試験(コマンドを送信した時の動作確認)を行い、問題ないことを確認した。M系シーケンスの実装や、コマンド量産を引き続き進める。
・運用に使用予定の無線機はCCSDSプロトコルだとデコードできないため、どのように対応するかの検討を実施した。

D(デザイン)系

・ハモるん誕生。
2月1日の深夜0:30分を少し回った0:43!RSP-03のイメージキャラクター「ハモるん」が誕生。まだこれから進化して成長して行く予定。
皆さまに愛される03マスコットとなりますように!よろしくお願いします!
ハモるん誕生のいきさつはこちら→「超小型衛星RSP-03の愛称が決定しました!

・コールサイン入りロゴマークのSSTV用の画像を複数作成。受信時にノイズが入ることを想定し、微細な表現や細かい星々はどうあらわれるのかわからないので、わりと大雑把な感じで作成。

・ハモるんゆるパーカーデザイン作成。

X(外部公開)系

YOXO FESTIVAL 2024におけるRSP-03展示コンテンツのひとつとして、実演デモ(衛星の作曲ロジック説明と、衛星の作曲と演奏、SSTV受信デモ)を実施。来場者も多く、大成功。


講演も行った。

F(ファンディング)系


・ECサイト(SUZURI)仮オープン。https://suzuri.jp/rymansat/
・YOXO FESTIVAL にてRSP-03グッズ販売を行った。クリアファイル、トートバック、ロゴシールを出品してみた。

上記、「系」以外にRSP-03専用情報サイト作成チームも2023年中に発足しました。1月以降はこちらの進捗も記載していきます。

RSP-03特設サイト

https://rsp03.rymansat.com/
・リーマンサットのホームページとは別に、RSP-03専用の特設サイトを作成。デザイン・コンセプト・実装それぞれ進め中。
・ドメイン移行完了。
・新ドメイン:https://rsp03.rymansat.com
・旧ドメイン(2/24で廃止済):https://rsp03.rymansat.jp
ドメイン変更の理由は、リーマンサット・プロジェクトのホームページ「rymansat.com」のサブドメインにしておくことで、組織的な整合性が外からわかりやすい、内部的にも管理しやすい、将来の03サイト運用終了・ドメイン放棄後に第三者に取得されて違法行為 などに使われるリスクを下げられる(サブドメインは親ドメインの持ち主が承認しないと取れないので)等のメリットがあるため。
・2024年10月現在、Web開発に興味のある方(言語:HTML、CSS、Next.js、node.js)募集中。

ハモるんとは

ハモるんは超小型人工衛星「RSP-03」の愛称です。
サイズはなんと、手のひらサイズの約10センチ四方の立方体!
この小さな衛星が行うミッションのコンセプトは「星のシンフォニー(Stellar Symphony )」です。
地球を周回しながら、「宇宙空間で撮影した星の画像」と「衛星のハウスキーピングデータ(衛星の各パーツの状態を表す数値)」から多彩な音楽を作曲し、その音楽データを地上に送ります。

”系”とは

リーマンサットでは、二つの意味で「系」という言葉を使っています。
①何らかの機能を持つ仕組みのこと。
②衛星開発プロジェクトを行うために、機能や役割ごとに技術部内で分かれているグループのこと。
ハモるんでは、ミッション系や姿勢制御系、地上局系など、現在10+α のグループに分かれて開発を行っています。このグループを”系”と呼んでいます。

以上、2024年2月の開発進捗でした。
来月のハモるん開発記もお楽しみに!

【無料講演会】超小型人工衛星RSP-03開発ウラ話14連発

2025年に打ち上げを控えた超小型人工衛星『RSP-03』の技術解説および開発の裏話を14回にわたり無料講演します!
11/2〜1/18の間の土曜日、各回講演60分×2コマ(全14回・7日間)を宇宙の店@浜松町で行います!ぜひご参加ください!

『趣味で衛星開発!~打ち上げ間近のRSP-03開発ウラ話 14連発🧨』
https://rsp03-techtalk.peatix.com
ぜひ会場に足をお運びください!

2024年11月以降のイベントのお知らせ

★2024年11月5日(火)16:30-17:15
第68回宇宙科学技術連合講演会   (姫路市文化コンベンションセンターアクリエ ひめじ@姫路市)

N会場小型衛星(3)
1N16:超小型人工衛星RSP-03の開発状況とミッション系システム
1N17:超小型衛星向けUHF帯通信機の開発
2本発表します!

★2024年11月9日(土)〜10(日)
第7回「すみだストリートジャズフェスティバルinひきふね」(情報経営イノベーション専門職大学@墨田区)

★2024年11月15日(金)〜16日(土)
第26回産業ときめきフェア in EDOGAWA(タワーホール船堀@船堀駅前)

★2024年11月24日(日)
星マルシェ2024(三鷹中央通り商店街@三鷹市)
こちらのイベントでも皆様とお会いできるのを楽しみにしています!

手のひらサイズの衛星が、宇宙の神秘を歌い上げる!クラウドファンディング始まりました

音楽作曲演奏衛星RSP-03の開発は紆余曲折を経ながら進み、現在フライトモデルの開発が完了しています。
フライトモデルの開発が完了しているならば、残りやることは一つしかありませんね?
そう、RSP-03を宇宙に送り届けるのです。
手のひらサイズの衛星が、宇宙の神秘を歌い上げる!– クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)
https://readyfor.jp/projects/rymansat6
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宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。
https://www.rymansat.com/join
開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。


【この記事を書いたメンバー】

広報部 オウンドメディア課 &RSP-03外部公開系 トモエ モエ
リーマンサットCBO(C:最高 B:ビール O:責任者)
好物はビールと焼肉


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