この記事のタイトル、「なぜ、私たちは宇宙を目指しているのか」
それは、夢物語みたいで面白そうだから。
本当に実現したいことに対して「夢物語みたい」とはいきなり矛盾しているかもしれない。
でも、本音で言うとそういうことになる。
別に、普段の生活に疲れているからとか、もっとビッグになりたいから、ではない。
“民間宇宙開発”という「もっとみんなで宇宙開発をやろうよ!」という旗を掲げて。
夢や想いをみんなで持ち寄って、宇宙を目指すこと。
それを”面白そう”だと思う人たちが集まっている。
そんな私たちが、リーマンサットプロジェクトだ。
「みんながもっと自由に、楽しく、興味を持つような」
そんな宇宙開発を目指す、リーマンサットプロジェクトが発足したのは2014年6月だった。
「日本の宇宙開発を盛り上げたい!」
宇宙開発の”う”の字も知らない誰かが、新橋の居酒屋でそんなことを言った。
「本気で宇宙を目指そう」そうして集まった5人で、初出展したイベントに持っていったのは”チラシ”
想いはあった。しかし、人もお金もなかった。
“わたしたち、宇宙開発やります!” と叫び続けて、キックオフミーティングにはなんとか30人来てくれた。
「サラリーマンが集まって、人工衛星を作ろう」
昨今、“民間宇宙開発”という言葉がメディアを飛び交い始めているが、それは「国の組織ではない」ことを意味する言葉に過ぎない。
まさか「週末に集まって活動する人たち」のことを指してはいないだろう。
この”週末に集まるタイプ”の民間宇宙開発を、人工衛星をつくる技術部と、宇宙に対する想いを発信する広報部の両輪で進めてきた。
現在、メンバーは170人を超える。
エンジニア、プログラマー、学生、デザイナー、営業、マーケティング、溶接職人。
あらゆる職業の人たちが集まって、”宇宙”の話をする場所がようやくできてきた。
「宇宙空間で自撮りする衛星、なんてどうだろうか」
人工衛星を作る中で一番楽しいのは“人工衛星のお仕事”を決める「ミッション決め」
地球の写真を撮るのか、まだ見ぬ小惑星の隕石をつかまえるのか
正直、わたしも宇宙空間に何があるのかなんてよくわかっていない。
でも、わかっていないからこそ「こんなことやりたい!」という発想はたくさん生まれる。
“民間宇宙開発”という言葉には「もっとみんなで宇宙開発をやろうよ!」という意味が込められていると感じる。
それならば、夢や想いを実現するハードルを下げたい。もっともっと下げたい。
空気も重力もない宇宙空間に、専門家でも経験者でもないわたしたちが作った人工衛星が放り込まれるとき。
そのハードルは、きっと少しだけ下がる。
「なんで、宇宙なんですか?」
リーマンサットプロジェクトとしてイベントに出展するとよく聞かれる質問だ。
宇宙には、まだ知らないことがたくさんあるから。
いつか見た、あのロケットの映像が忘れられないから。
今、世界中で民間宇宙開発が流行っているから。
いつもいろんな言葉が浮かんできて、答えに困ってしまう。
だから、これからはもっと簡単にこう言ってしまおう。
「宇宙って、面白そうだから」
面白そうなことに、好きなだけ挑戦できる世界を、民間宇宙開発から。
そして、それが日本や世界の宇宙開発を、もっともっと盛り上げることにつながる。
夢物語を、実際に起こったエピソードにしてやる。
そんなことを考えながら、私たちは宇宙開発をしています。