広報部の成田です。
リーマンサット・プロジェクトでは、技術レベル向上を目的とした勉強会が行われています。
みんなで集まり顔をあわせながら学んだり、skypeなど利用したオンラインでの勉強会はじめスタイルは様々。講師役がいるときもありますが、多くは自分が学びたい分野のテーマを呼びかけ仲間を募り自主的に開催されています。
* * * * *
とある定例会後に開催された‟第一回RSP杯チキンレース”もその一つ。
チキンレースとは相手の車や障害物に向かい合って、衝突寸前まで車を走らせ、先によけたほうを臆病者(=チキン)とするレースです。そのチキンレースをリーマンサット流にアレンジ。Arduinoと呼ばれるマイコン開発ボードを使いレースマシンを製作し、どれだけ壁ぎりぎりに近づけて停止できるかを競い合います。
RSP杯チキンレースの目的は、
“レースマシン製作を通じて人工衛星開発の流れを体感し、楽しみながらリーマンサットメンバーの技術レベルを向上すること”。
人工衛星RSP-01のプロジェクトマネージャである伊藤さんが、この企画を考案しました。
伊藤さん「リーマンサット・プロジェクトの人工衛星のマイコンにはArduinoが採用されています。 ‟人工衛星を開発してみたい!”とリーマンサット・プロジェクトに参加し、はじめてArduinoを知って購入する人も多くいます。けれどもLEDを光らせること(通称:Lチカ)から次に何をしたらいいか分からず、止まってしまう人が割と多くいるんですね。これってすごくもったいなくないですか?」
と、伊藤さんが思いついた”楽しみながら学べる方法”がこのチキンレースでした。
「さらにレースマシンには、走行による振動への対処や衝突による破損を防ぐためにセンサーを搭載したりと、人工衛星製作の下地になることも多いんです。ミニ四駆(※)は真っ直ぐしか走らないことを逆手にとって初心者でも戸惑わないよう開発ポイントを集中させました。」(※ミニ四駆はタミヤの登録商標です。)
全体定例会にて開催宣言をしたところ、多くのメンバーから参加表明の声があがりました。その中にはArduinoを初めて触るメンバーもいます。早速レースに向けて、各自レースマシンの製作。 SNSでグループをつくり、ルールの確認や必要な部品をはじめ情報共有がはじまりました。
「ルールとしては、ミニ四駆のモーターだけを動力としていれば、なんでもありって感じですかね。飛ばしたり。」
「どうやってやるかとか、パーツなにがあるよとか情報交換会やりますか?」
「センサーやマイコンがいらない方法思いついてこれで勝てる!と思ったのもつかの間、センサーとマイコンを“搭載”だけすれば良いかと思いましたが“制御”もしないとNGとは。読まれてた。」
「 …もうみなさんガチで勝ちに行くかんじですかね?(^^;;)」
どんなセンサーを選択するか、センサーの固定方法、 プログラミング方法、モーターと制御の半田付け等々、いろいろなテクニックがあるので、何を選択するかが勝負の鍵となりそうです。
ミニ四駆も種類によってマイコンを載せやすいものとそうでないものがあり、なおかつ電子パーツも搭載スペースも必要。ほぼ最小部類と思われるArduinoとミニ四駆を並べてみると、それでもミニ四駆の筐体に詰め込むのは思ったより小さい…。これはなかなかやりがいがありそう。
まだまだ余裕がみえるレース開催2ヶ月前。各自の進み具合を報告しあうメッセージがSNSのグループ内に飛び交います。
「車体購入まだですが、センサとドライバの動作確認まで完了しました。」
「ふと思ったのですが、緩衝材があると吸音して距離系狂ったりするのかしら」
「ようやく機体を入手しました。ACアダプタと直接接続したらめっちゃ激しくモーターが回りました。」
「壁」となる緩衝材スポンジは、壁際ピッタリに設置する予定。緩衝材にぶつかると負けとなってしまうので、 緩衝材の厚さを見越して手前で止まるようにしなければなりません。高さが結構低いので、センサ位置によっては、壁を認識出来ない可能性も。
プログラミングや電子工作が初心者チームもSNSで質問したり、詳しいメンバーと必要な部品を買出しに行ったり、プログラムと回路設計講座を含めた制作会、Arduinoチキンレース対策制作会@横浜支部を開催してコツコツ製作を進めている様子。
余裕の出てきたメンバーが車両システムについて(モーター、バッテリ、回路設計、プログラム)教えつつ、みんなで集まってマシンの製作を追い込み。参加したメンバーは「楽しかった。結構時間をかけてやらないと間に合わないというのも痛感(^^;」
ここで、よくある質問にお答えします!
Q“Arduinoとは?”
“Arduino(アルデュイーノ)とは、AVRマイコンと呼ばれる小さな基板です。構造が非常にシンプルなので、 コンピュータに精通していない人でも簡単にハードウェアを扱えることから、子供から大人まで誰でも電子工作やプログラミングを手軽に楽しむことができるため世界中で人気を集めています。”
【これがあれば、rsp.チキンレース参戦マシンが製作可能(!?)持ち物リスト!】
★必要なもの
・PC(パソコン)
・ミニ四駆(モータ含む)
・Arduino、書き込み用ケーブル
・ブレッドボード、配線・ジャンパワイヤ
・電池、電池ボックス、
・DCモータードライバ(例:秋月電子 K-09848)
・超音波距離センサ(例:秋月電子 M-11009)
・DC/DCコンバーター(3V -> 5V)(例:秋月電子 K-13065)
★その他あったほうが便利
・テスター(マルチメータ)
・ワニ口クリップ付き配線(モーターとボードを接続するため)
・絶縁、固定用マスキングテープ
・はんだ、はんだごて、コテ台
・その他のセンサ
かくして、みなさんのマシン製作は進んでいきます・・・
果たして結果は…!?
* * * * *
人と繋がり共に学びあう場があるのもリーマンサット・プロジェクトのひとつの魅力なのかもしれません。
次回、第1回大会の様子をお知らせします!
最終的に、どんなマシンたちが出揃ってくるのでしょうか・・・お楽しみに!
→後編も公開しました!自動運転で止まれ!ミニ四駆チキンレースを開催しました【大会当日】
【この記事を書いたメンバー】
広報部 イベント課 なりたゆか
とりあえず宇宙ポストに「ロケットの打上げが見たい!」と投函したら、そのメッセージが載ったロケット(と人工衛星)の打上げを見ることができたラッキーな人。6人のSMAPが好き。