2020年11月21日(土)、世界初の“人工星座”放出衛星「RSP-02」の基本設計審査(PDR:Preliminary Design Review)がオンラインで行われました。
PDRとは、BBM(Bread Board Model)を製作して開発仕様の妥当性や実現性などを検討し、詳細設計に移行できるかどうか確認する設計審査です。
※NASAがアポロ計画時代に開発した、PPP(Phased Project Planning:段階的プロジェクト計画)という手法を採用しています。開発段階をフェーズに分けて作業内容を定義し、結果を審査・評価することで次フェーズへ進む判断を行います。
前回の審査会:MDRの様子はこちら
「世界初の“人工星座”放出衛星「RSP−02」ミッション定義審査(MDR)終了!」
https://www.rymansat.com/archives/8216
じつは、PDRは7月末にもオンラインで行われたのですが、審査結果は不合格。BBMでの確認が不十分とされたことが主な理由でした。
それというのも、今年の春から世界的に猛威を振るっている新型コロナウィルスの影響で、メンバーが直接会って話し合ったり一緒に作業をしたりすることが困難な状況が続いていた、という背景があります。
コロナ禍でわたし達の日常生活は大きく変化しましたが、RSP-02の開発メンバーもオンライン中心の活動を余儀なくされる中、試行錯誤しながら駆け抜けた数か月でした。
今回は、前回の内容を補うΔPDRとして行われたものになります。※Δ:デルタは差分の意味。
オンライン上の参加者は約30人。各系の代表者が設計書や資料を画面共有しながら、要求に対する設計について説明を行いました。あわせて、BBMの試験結果によって次のフェーズであるEM(Engineering Mode)の開発が可能であるということも示す必要があります。
質疑応答も交えつつも、白熱した議論というよりはオンラインならではの“数秒の間”に、仄かな緊張感が漂う3時間半……。
BBMレベルでの要求とその実現方法、設計の妥当性が評価され、審査員から無事に承認を得ることができました!
■各系のBBM
基本設計審査を通過したので、次は詳細設計審査(CDR:Critical Design Review)を目指します。
今後はさらに試験を重ね、過酷な宇宙環境でも性能や機能を維持できる設計になるよう、EMを製作して検証や試験を重ねていくことになります。
Withコロナの超小型人工衛星の開発。
これもまた世界初――というより人類初の! 挑戦かもしれません。
もうしばらくこの状況は続くと思うので、進め方を工夫し、感染予防をしながら作業を進めていきます。
現時点では、2022年度の打ち上げを目指しています。
打ち上げが確定しているRSP-01に続いていけるよう、RSP-02も引き続き頑張ります!
一緒に開発をしてみたい人は、こちらから。
https://www.rymansat.com/join
【この記事を書いたメンバー】
広報部 技術広報課 Akko.M
海外の宇宙科学番組が好きすぎて、偏った英語を習得中。スイーツと珈琲と星空図鑑があれば幸せな妄想家です。