世の中には、二種類の人間がいる。
衛星を運用したことのある人間と、ない人間だ!

と、当たり前のことを大袈裟に言ってみました。
こんにちは、リーマンサット衛星運用メンバー、モエです。

「衛星ってロケットに比べて地味だし、RSP-01を宇宙に送ったら興味が薄れるのでは」
正直に白状するとそう思ってましたが、全然そんな事はありませんでした。
趣味の衛星の運用、楽しいー!!
趣味の宇宙と通信、嬉しいー!!

宇宙は近くて遠くて、その宇宙にはコマンド一つでお返事を返してくれる(ご機嫌によっては返してくれない)わたしたちの衛星、”Selfie-sh”  RSP-01がいる。
あの子は、わたしたちのバディ(相棒)です。
わたしたちより先に宇宙に行って、わたしたちの代わりに宇宙で活動してくれる、仲間。
そんな楽しい「衛星運用の日々」を、いちメンバーの視点から、これから記していこうと思います。

衛星の運用って何

「衛星の運用」……なかなか普段の生活では聞かない言葉ですよね。
運用、、、「資産運用」とか、、、?
簡単に言うと、「宇宙にいる人工衛星に信号を送ったり、衛星からの信号を受信して、ミッション遂行のためにいろんなことをする」ことが「衛星の運用」です。

サラリーマンの宇宙開発に立ちはだかる壁

リーマンサットは、多分ちょっと他とは違う衛星運用の仕方をしています。
なぜなら「サラリーマンだから」。
大学や企業は、研究や仕事として常日頃衛星運用をできると思うのですが、リーマンサットは違います。
メンバーのほとんどが会社員なので、
日中は仕事をしている=平日日中は基本的に運用できない
んです。
(もう少し正確に言うと、本業に差支えない範囲で、休日の前の日は深夜も、また休日は終日運用します)

また、リーマンサットの地上局は23区内にあります。
衛星の運用は、基本的に衛星が自分たちの上空を飛んでいるときに信号を送ります。
上空といってもいろんな角度があります。
・真上であればあるほど、遮るものがなくていい。
・地平線に近いほど、建物に遮られて信号のやり取りがしづらい
・地平線に近いほど衛星との距離が遠くなる(天頂では衛星との距離は約400kmなんですが、20°では約980km、10°で約1440km、5°で約1800km、0°で約2300kmと急激に遠くなってしまうのです!)
そういうわけで、基本的に仰角20°以上の時のみ運用を行います。

・主に休日と平日の夜しか運用できない
・仰角20°以上しか運用しない

という、非常に限られた条件下で運用しています。

リーマンサットの衛星の運用はどこでやっているの?

「どんなところで衛星を運用してるの?」と聞かれることがあります。皆さんがパッと想像するのは、NASAの管制室でしょうか。
リーマンサットにもあります。通称「地上局」です。「RCC」と呼ぶこともあります。

ちなみに、JAXA種子島の総合指令棟は「Takesaki Range Control Center; RCC」といいます。
リーマンサットの都内某所のコントロールセンター、「RymanSat Control Center ; RCC」
奇遇なことに、どちらもRCCですね!

リーマンサットで「地上局」という時は、だいたいこのRCCのある施設を指します。屋上に大きいアンテナがあります。これを使って衛星とやりとりをします。
都内なので首都高がすぐ横にあったりします。

「じゃ、みんなここに集まって衛星運用してるんですね?!」
…そういうわけでもありません。
なぜなら、
・コロナ禍、集まれない
・RCCは某都内の会社の事務所を借りており、平日日中はその会社さんの仕事中のため使用できない
・平日夜か休日しか運用しないため、夜〜夜中に集まれない
・運用メンバーが全国に散らばっている

上記理由により、ほぼリモートで運用しています。

リーマンサットの衛星の運用はどこでやっているの?

リーマンサット、衛星は主にリモートで運用しています。
リモートログインできる某サービスを使って、運用者は地上局のパソコンを自宅にいながら動かすことができます。
これが使ってみたら意外に簡単だったんです。文明の進化、凄い。
が、が、が。
地上局にいるていで、運用者は自分のパソコンからリモートで地上局の色々なソフトを同時に起動しないといけないのですが、パソコン音痴のわたしには少ししんどい(笑)
・リモートログインして開いた運用システム
・SoundEngine(音声波形編集ソフト、CWなど受信の波形と音を聞いたり見たり保存したりする)
・各種バッチ(複数のプログラムの実行順序を定義し、大量のデータを一括処理する)
・アンテナ制御するソフト
・Skype(情報共有用)
・運用計画書ほか各種ファイル
・calSat32(衛星追尾用アプリ)
あとなんだっけ??
これを…同時に見たり聞いたりして運用するとなると…自宅のパソコン環境じゃ画面など色々足りない………本音をいうとRCCに行きたい、、、、、

そんな個人的な悩みがありつつ、なかなか実際の運用の様子にたどり着けませんが、「宇宙開発女子の衛星運用日記」今日はここまで。
次回をお楽しみに!

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【この記事を書いたメンバー】

広報部 技術広報課&技術部 RSP-01 トモエ モエ
趣味は宇宙開発と阿波踊り
好物はビールと焼肉


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