こんにちは。
広報部のくろすです!
3月、リーマンサットではRSP-02のクラウドファンディングに挑戦し、皆様から温かいご支援をいただいた年度末となりました。
そして4月、年度が変わり学生の皆さんは進級進学などで新しい環境で、社会人の皆さんは昨年度の評価面談や今年度の目標設定など忙しい月だったのではないでしょうか。
そんな4月ももうすぐ終わりを迎え、もうすぐ待ちに待ったゴールデンウイークですね!
さて、今回は「オリジナルの太陽電池の模擬装置製作」についてお伝えしたいと思います!
製作物:太陽電池の模擬装置
衛星に搭載する太陽電池を模擬した電圧・電流を出力する装置です。
太陽電池の模擬装置 特徴
①衛星に貼る太陽電池5枚分を同時に出力出来る
②5枚分それぞれの出力をリアルタイムに変えられる
衛星と太陽の位置関係によって太陽電池5面のうち光が当たる/当たらない部分がありますが、光の強弱も含めて装置一台でそれっぽく再現できる、というのが特徴です。
なぜ実験装置を自前で作ることになったのか
衛星のバッテリーや充放電回路の評価・試験には、なるべく太陽電池と接続して確認したほうがよい項目があります。
ただ、本物の太陽電池だと出力を得る為には光を照射する必要があるので、「晴れた日に屋外に出る」か「強力なライトを当てる」などをしなければなりません。
そうすると試験がかなり大変になるので、太陽電池を模擬した出力を出せる装置を作って試験を楽にしよう、というのが製作の動機です。
どのように実験装置を作ったのか
①太陽電池の等価回路(電気的挙動が似てるとされる回路)を調べる
② ①を基に回路設計をする
③パターン設計をする
④業者に基板製作を発注
⑤選定した部品を基板にはんだ付け
!!完成!!
▼部品実装前
▼ファン以外の部品実装後
▼完成品
実験装置製作で苦労したこと
①実際の太陽電池と同じような出力特性にすること
なるべく実際の太陽電池と同じ出力特性になるように部品の選定をして回路シミュレーションを実施しました。ただ、部品の温度によっても特性が変化するので、簡単に特性を変えられるようなスイッチ(のようなもの)を設けて、なるべく実際の太陽電池の特性に近づけやすくしました。
②発熱(部品がすごく熱くなります)
以下の4つを工夫して熱をうまく逃がす仕組みをつくりました。
・ダイオードが1番発熱するので、ダイオードと基板間に熱伝導シートをはさみ熱伝導をよくする
・ダイオード直下に複数の熱伝導ビアを打って、部品と反対側の基板面のレジストを抜いて熱伝導をよくする
・その上に大きいヒートシンクをつける
・ファンを回す
こうすることで、ダイオードで発生した熱は熱伝導シート→ビア→ヒートシンクと効率的に伝わっていき、最後はファンによって冷やされるという仕組みです。
〜〜開発こばなし〜〜
基板一枚につきダイオードが40個乗りますが、それを5枚分作りました。
ダイオード計200個一つ一つに熱伝導シートを貼る必要があり、苦行でした😅
(by 実験装置製作者のGOTOさん)
開発環境も自分でつくる!
これまでは、コストをかけて本物の太陽光電池を用い、限られたタイミングでしか試験ができなかったのですが、今回の実験装置が完成したことによって、いつでもどこでも試験ができるようになりました!
衛星それ自体だけではなくて、開発環境も「開発」することで、より効率的な衛星開発の実現につながるんだなぁ〜、と改めて感じました!
引き続き、RSP-02を見守っていただければと思います。
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【この記事を書いたメンバー】
RSP-02広報チーム くろす
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