皆さんこんにちは、RSP-03ミッション系の加藤です。

現在絶賛開発中のRSP-03、そのメインミッションは「星のシンフォニー」。つまり宇宙の星々の取得データを音に還元して多重音のシンフォニーを形成する、「作曲演奏家としての人工衛星」を実現することです。

RSP-03ミッション(以下、ミッション)の「サクセスクライテリア」、すなわちミッション成功の判断基準は、「星の要素から曲を生成して宇宙から地上に送信する」こと。
ミッションを実現するための機能は以下から構成されます。
(1)恒星の位置を測定する装置、”スタートラッカー”を装備し、「シリウス」や「こぐま座」といった星や”星座のデータ”を取得する。
(2)取得した“星座のデータ”から恒星の明るさや位置、衛星の状態などの要素を音にあてはめ作曲し、宇宙空間で作曲されたデータを地上にダウンリンクする。

つまり、RSP-03は宇宙で取得したデータを元にして「作曲」する人工衛星なのです。

「作曲する」って、どういうこと?

「作曲する人工衛星」を実現することが開発目標ということは分かりました。これから本格的に開発していかなければならないのですが、ここで疑問が。。。
そもそも「作曲する」って、どういうこと?
残念ながら、私は作曲は全くの素人。以前ちょっとだけピアノを習ったことがあり、多少は楽譜は読めますが、作曲なんぞしたことはありません。
うーんと思っていたところ、さすがは多様なメンバーがそろうリーマンサット。作曲に詳しい方がいるではありませんか。
私と同じミッション系に所属する大阪府在住のSさんに相談してみたところ、頂いたアドバイスは「とりあえず作曲してみたら?」。
「なんじゃそりゃ」と思いましたが、Sさんに言われるがまま、挑戦。頂いた宿題は「レラ抜きの音階だけで曲を作ってみる」です。
「レラ抜きの音階」とは別名「琉球音階」と言われており、主に沖縄民謡で使われている音階だそうです。早速休日に自宅に眠っているピアノに向かい、試行錯誤を繰り返しました。ロジックやルールは何もなく、頼れるのは自分の感覚だけです。
悪戦苦闘すること数時間、そしてできた曲が以下の曲です。

実際の音声ファイルはこちら

なんと、沖縄民謡っぽいではありませんか!

音楽理論を教わってみた

作曲するとはどういうことか、そのほんの触りは理解しました。ですがまだまだ分からないことだらけ。そもそも作曲するための基礎となる、諸々の「音楽用語」からしてよくわかりません。さきほど出てきた「音階」もそのひとつです。
そこで「音楽理論」をオンラインで講義していただくことになりました。
講師は名古屋支部メンバーで岐阜県在住のYさん。なんとご自身で作曲した音楽をオンラインで販売しているというすごい方です。
講座の内容は、次の3部構成で、実際にキーボードを弾きながらレクチャーしていただきました。
(1)基礎知識:
音価、小節・拍、テンポ、音名、音程、音階、調性
(2)コード:
コードの仕組み、コード一覧
コード進行の基礎、コード進行一覧
(3)メロディとコード:
メロディの進行、メロディの細かさ
メロディとコードの関係性

「順次進行」と「跳躍進行」の組み合わせで「曲の感じ」が決められていくというのが感覚として理解できたのが良かったです。

作曲講座!

音楽理論講座で、音楽の基本的な用語や仕組みはなんとなく理解できました。つぎはそれを基礎知識としてどのように作曲するかを理解する必要があります。
そこで今度は「作曲講座」を開いていただきました。
講師は先ほど出てきたSさんと、愛知県在住のHさんにお願いしました。
講座前半では、コード進行をベースにどのようにメロディを作るかについて、先ほど相談させていただいたSさんに講義していただきました。
講義のエッセンスは、「音楽のことがさっぱりわからなくても、ルールに従えばメロディがつくれる」。

例えば、以下のルール。コード進行が決まれば、ルールに従ってメロディが作れるという例をSさんが考えてくださいました。(ルールの詳細は内緒です)

実際にためしてみると。。。立派な音楽になっているではありませんか!
ルールができれば、それをソフトウェアプログラムとして実装することが原理的に可能になるので、人工衛星でも作曲ができそうです。

作曲講座の後半は視点を変えて、メロディが決まった後にどのようなコード進行にすれば心地の良い響きになるかというお話を愛知県在住のHさんにしていただきました。
内容は、メロディを構成する音からどのようなコードを選べばよいか、具体的な事例をあげて講義していただきました。
ドミナントモーションやコード転回形、ダイアトニック、裏コード等々、ここでも色んな言葉がでてきて、若干消化不良なところはあります。ですが、Hさんの音楽に対する熱い思いは伝わったので、資料を見て改めて復習することにします。。

。。。と、ここまで音楽の話ばかりで、宇宙開発はどこにいったんだと突っ込まれそうです。ですが、これも「身近なものを宇宙に」というリーマンサットの理念に沿った活動の一環ということで、どうかご容赦ください。
講義をしてくださったYさん、Sさん、Hさん、本当にありがとうございました!

RSP-03プロジェクト、続報をどうぞお楽しみに!

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開発メンバーはもちろん、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。
参加はこちら
https://www.rymansat.com/join
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【この記事を書いたメンバー】

RSP-03 ミッション系 加藤学
本職:電機メーカーのエンジニア、自称データサイエンティスト、技術士(情報工学部門)
趣味:読書、軽い運動(筋トレ、ジョギング)、犬の散歩



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