2022/6/26(日)、超小型衛星RSP-02プロジェクトはコワーキングスペース茅場町 Co-Edo(コエド)にて「C-M-A-P」EM結合試験を行いました。
ちなみに当日はリーマンサットの月イチの全体定例ミーティングが開催されており、同じ場所で定例ミーティングと背中を合わせての開発となりました。
C-M-A-Pとは?結合試験とは?
アルファベットは、次の4つを表しています。
C:C&DH系
M::ミッション系
A:姿勢制御系
P:電源系
C&DH系はコマンドとデータ処理を、ミッション系は衛星のミッションを、姿勢制御系と電源系はその名の通り衛星の姿勢と電源をそれぞれ司る系です。
今回の結合試験では、これまで各系単独で動作確認したEM*基板を上記4つの各系と繋いでみて、動作するかどうかを確認しました。
*EM…エンジニアリングモデル。衛星が宇宙環境で稼働できる事を地上で試験するモデル。
ところで「系」とは
リーマンサットでは、二つの意味で「系」という言葉を使っています。
①何らかの機能を持つ仕組みのこと。
②衛星開発プロジェクトを行うために、機能や役割ごとに技術部内で分かれているグループのこと。
今回の「C-M-A-P結合試験~弐号機かわら版 2022.6月号~」では、主に①の意味で「系」という単語を使用しています。
結合してみた
まず最初に、最小構成であるC-Pを繋げて確認しました。
最初に全部をいきなり繋ぐと、設計が間違っていた場合破損の恐れがあるからです。
行ったのはこちらです。
・C系基板からP系基板上のスイッチを操作
・C系基板からP系基板上の電圧・電流センサの読み取り
動作は良好。
次にC-M(+A)-Pを結合してみました。
(A系とM系は同じ基板になっていて、M系基板にAの機能が載っているため今回は「M(+A)」と表現しました)
行ったのはこちらです。
・P系基板からの電力供給でC系基板とM系基板の駆動
C系、M系の基板は今までUSB給電で動かしていましたが、今回はじめてP系基板からの電源供給で動かしてみました。
そしてうまくいきました!
ちなみになにがどうなっているかというと
左上から、開発したデバックポート用基板、M系基板、C&DH系基板、カメラ、P系基板が写っています。
デバックポート用基板の上にある2つの白っぽいものはプログラム書き込み用のnucleo(マイコンボード)、電源系基板の横にあるのはP系基板のデバッグ用の端子台という部品で、これらは市販のものです。
A系については、電源系からの電力供給で磁気トルカを動かす予定でしたが時間切れとなり、次回へ持ち越しとなりました。
こちらは、試験の途中で基板の組み合わせを変えているところです。基板から出てくるデバッグメッセージをパソコンで受け取るための変換基板を接続しています。
こちらはA系の単体動作を確認しているところです。磁気トルカからの磁束の発生をスマホの磁気センサで確認しています。磁気トルカに電流流すと、スマホ上の白い線が振れています。
懸念点はありましたか?
P系の基板で、C系への電源供給がうまく動いておらず、P系基板の不具合箇所を確認する必要があります。恐らく、部品の実装不具合と思います。
(P系メンバー大室さん)
終盤、C系基板の動作が不安定になってしまったので、要調査です。
カメラもやろうとしたけど時間切れでいけなかった。
(C&DH系メンバーおすぎさん)
結合試験の結果は?
いくつかの懸案点はありましたが、解決の目処は立ちそうでした。今回するべきことは全て押さえられた、ということで、結合試験としては
「フルサクセスといった感じですね」(P系リーダーK.Uさん)
計画通りの成果を得ることが出来たようです。
一日ずっと結合試験に集中していたRSP-02開発メンバー達、夜にはおいしいお酒が飲めたようです!
P系のC系への電源供給と、C系のM系へのハンドリングに改善点がありそうなので、次の結合試験は来月になりそうです。
またレポートします!
引き続きRSP-02の応援をよろしくお願いします。
✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰
宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。
https://www.rymansat.com/join
開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。
【この記事を書いたメンバー】
RSP-02広報チーム トモエ モエ
リーマンサットCBO(C:最高 B:ビール O:責任者)
好物はビールと焼肉