リーマンサットRSP-03開発メンバーのMです。
前回、NASAやJAXAといった組織がどういう部品を使っているかについて述べました。
今回は、リーマンサットの衛星の放射線対策についてをお話します。
連載目次
第1回 人工衛星と放射線の影響の歴史
第2回 放射線対策の研究動向
第3回 商用衛星・ロケットの放射線対策
第4回 リーマンサットの衛星の放射線対策
第5回 リーマンサットの放射線試験結果
※RSP-03で放射線試験を行うにあたって、各種文献をもとに調べたことを備忘録的に記しています。
内容が100%正確である保証は出来ませんので、あらかじめご了承ください。
第4回 リーマンサットの衛星の放射線対策
宇宙用に開発された放射線対策済みの部品は簡単に入手できませんので、リーマンサットでは一般向けとして市販されている半導体部品に放射線を当てて、動作に影響がないものを衛星に搭載する部品として選択しています。
今回は、東京工業大学にある『千代田テクノル コバルト照射線施設』を借りて放射線試験を実施しました。
http://www.zc.iir.titech.ac.jp/Co60/index.html
RSP-03での実験準備風景
こちらの施設では、放射線源としてコバルトの放射性同位体であるコバルト60を使用しており、ガンマ線のトータルドーズ試験を行うことができます。
放射線の強さは線源からの距離に反比例しますので、試験対象の部品が所望の放射線量になるように、線源の同心円状に並べました。
今回の実験では、地球周回軌道上の人工衛星が2年間かけて浴びるだけの放射線量を半日で受けるように調整しています。
これらの測定対象部品はマイコンボードに接続されており、リアルタイムに動作状況を確認することができます。
このため、試験途中で部品が故障した場合でも地球周回軌道何か月相当の運用で故障したかがわかるようになっています。
動作状況モニター用のマイコンボードが放射線の影響で故障しては意味がありませんので、放射線防護用の鉛ブロックで影響を減らすようにしています。
さて、肝心の放射線試験の結果はどうだったでしょうか?次回の記事で紹介したいと思いますのでお楽しみに!
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【この記事を書いたメンバー】
技術部 RSP-03 C系 / 電源系 M
旅とお酒が好きなエンジニア。東京在住、心は関西人