こんにちは、超小型衛星RSP-03チームです。
「ハモるん開発記」では、リーマンサットでの衛星開発がどのように行われているのかを、ハモるんことRSP-03の開発各系ごとにご紹介します。
「ハモるんって?」「”系”って?」という疑問があるかたは、文末へどうぞ!
先月の進捗報告はこちら→ハモるん開発記:超小型衛星RSP-03進捗2023年10月
2023年11月のハモるんと03メンバー
・先月から開始した太陽電池の貼り付け作業が順調。ハモるん、だんだん衛星らしくなっていく。
・イベント「星マルシェ」に参加。リーマンサットガチャほかグッズが好評を博す
・開発大詰め感がでてきた
それでは、11月の各系進捗です。
M(ミッション)系
・先月に引き続き、作曲生成パラメータを検討中。
・AOBC(姿勢制御用マイコン)-MOBC(ミッション用マイコン)とのSPIでの疎通確認。spaceframeパケット含む固定長frameが送受信できることを確認した。
ただしミッションシステム側の現状ソフトに不具合があり、spaceframe packetが上記frameの先頭にないとコマンド解釈できないので、要修正。具体的には1バイトずつ評価してframeを解釈するようにソフト改修する必要があり、C&DH系メンバーにサポートしてもらう。
・撮影した画像がスタートラッカー処理可能か(画像のブレ、月や地球の映り込みの有無など)を判定するために、画像処理(膨張処理、マスキング)した撮影画像をDLして確認できないか検討を開始した。
・赤経赤緯計算、作曲、デジトーカ、REPORT等のコマンドは実装を担当する人がいるが、撮影画像情報を取得するコマンドは担当者がいないので、現時点では実装優先度が低い。
C&DH(コマンド&データハンドリング)系
ファームウェア(※1):
・テレメトリの設定機能の作成を開始。
・AOBC(姿勢制御用マイコン)-MOBC(ミッション用マイコン)間通信部を実装し、パケット送受信が成功した。
※1 ファームウェア:ハードウェアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウェア
T(通信)系
周波数申請:関東総合通信局へ免許申請書類のドラフトを送付した。
ソフト開発:OQPSK含む全変調系の実装が完了し、検証中。
TC(通信・C&DH系)基板改版について:修正基板のレビューをし、発注GOとした。
基板は12/上に届く予定。スケジュールは
12/上 導通チェック、動作チェック予定
12/中 RF性能試験予定
12/下 JARDで試験(免許申請用の本測定は年明け実施)
P(電源)系
・太陽電池セルを貼り付けした。12月初旬にはんだ付け実施すれば太陽電池関連の作業は完了。
・1面作業終了時にEL試験で確認。問題なし。
・EL試験について。どうなっていればOKかというと、全体的に均一に発光すればOK(外観検査で確認できないものの検査としての位置づけ)。
左:発光状態、右:消灯状態
EL試験の動画はこちら。
#超小型衛星RSP03 開発中!
ハモるんです◝|⁰▿⁰| ◜
EL試験の様子るん!
EL試験とは、電圧をかけて光を出すことで、太陽電池セルの健全性を確認する試験ハモ。
電気が流れている部分は発光し、流れていない部分は暗いままなので、セルの亀裂や断線、接続不良が目で見てわかるるん!#趣味は宇宙開発 pic.twitter.com/Wl1CECfzvu— リーマンサット #趣味は宇宙開発!(Rymansat) (@RymanSat) November 11, 2023
・今後おこなっていきたいこと
→電源系システムの統合動作テスト。太陽電池or模擬太陽電池から電力を入れて、P系基板通じて各負荷に電源を供給しつつ、バッテリの充放電ができることの確認
→電源系システムの長期運用テスト。長期運用していると2直列にしたバッテリのセルバランスが崩れてくると思うので、その程度を確認しておきたい。長期安定性も確認しておきたい。
→過電流保護値の決定。各機器の過電流保護を何Aにするか?の決定が必要
→ドキュメンテーション。設計情報のドキュメンテーションが追いついていないので、まとめたい。
A(姿勢制御)系
・ソフトウェアは Stabilizeコマンドの実装を行った。機能自体は実装済、一部パラメータの修正、確認事項あり。
・ソフト、ハード(試験の準備)を引き続き行っていく。リアクションホイールの試験準備も準備中。
H(熱・構造)系
・アンテナ展開のテストを実施。アンテナ巻職人(新担当者)の巻いたアンテナを展開。
・A(姿勢制御)系のリアクションホイール試験用のデータ確認用のモデルなどの整理を行った。
・振動試験準備開始。
G(地上局)系
運用システム開発:
・画面設計書をもとに画面開発を進めている。コマンド量産も進めている。
・AFSK、GMSKの復調ブロックを確認した。CW・DigiTalker・SSTVの運用方法詳細を次回打ち合わせる。(リアルタイムデコードの有無など)
無線送受信機能開発:
・AFSK、GMSKの復調ブロックを確認した。CW・DigiTalker・SSTVの運用方法詳細を今後打ち合わせる(リアルタイムデコードの有無など)。
・リーマンサット地上局の無線機等を使い、AFSKとGMSKの送受信確認を行った。受信経路でTNCを入れるとAX.25プロトコルのみしか対応できないため、SoundModemというソフトを使用する方向とする。
D(デザイン)系
・F系と連携したグッズ作成。クリアファイル二種を作成。
クリアファイル第一弾はこちら
クリアファイル第二弾はこちら
X(外部公開)系
・ハモるんが紹介するテイで開発進捗SNSを始める。
#超小型衛星RSP03 開発中!
ハモるんですヽ|´▽`|/ハモるんの基板を恒温槽でベーキング中.
120℃2時間のち自然冷却するるん!デラミネーションを防いで、宇宙に行った時に基板が破損しないための作業ハモ!
#趣味は宇宙開発 pic.twitter.com/cxHQ8BAZJf
— リーマンサット #趣味は宇宙開発!(Rymansat) (@RymanSat) November 6, 2023
F(ファンディング)系
・『RSPガチャ』作成。開発プロジェクトごとのアクリルキーホルダーと、それに封入する冊子を作成。
・2023/11/26、星マルシエに参加。(過去記事:星マルシェ 2023に出店します☆☆☆)
画像三つ目が封入冊子。目指せコンプリート!
ハモるんとは
ハモるんは超小型人工衛星「RSP-03」の愛称です。
サイズはなんと、手のひらサイズの約10センチ四方の立方体!
この小さな衛星が行うミッションのコンセプトは「星のシンフォニー(Stellar Symphony )」です。
地球を周回しながら、「宇宙空間で撮影した星の画像」と「衛星のハウスキーピングデータ(衛星の各パーツの状態を表す数値)」から多彩な音楽を作曲し、その音楽データを地上に送ります。
”系”とは
リーマンサットでは、二つの意味で「系」という言葉を使っています。
①何らかの機能を持つ仕組みのこと。
②衛星開発プロジェクトを行うために、機能や役割ごとに技術部内で分かれているグループのこと。
ハモるんでは、ミッション系や姿勢制御系、地上局系など、現在10のグループに分かれて開発を行っています。このグループを”系”と呼んでいます。
以上、2023年11月の開発進捗でした。
来月のハモるん開発記もお楽しみに!
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宇宙開発したい皆さん、一緒に何か企てませんか?リーマンサットが気になったかたはこちらまでどうぞ。
開発メンバー、広報として一緒に盛り上げていくメンバーも随時募集中です。
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【この記事を書いたメンバー】
広報部 オウンドメディア課 &RSP-03外部公開系 トモエ モエ
リーマンサットCBO(C:最高 B:ビール O:責任者)
好物はビールと焼肉