技術広報のKaitosによる、宇宙技術なんでもStory☆2
クリスマスと言えば、贈り物のシーズン。イブの日にサンタクロースからプレゼントをもらう子どもだけでなく、大人もいろんな人にギフトを贈りあうプレゼント合戦の日。
O・ヘンリーの「賢者の贈り物」のデラのように
「何度数えても、やっぱり1ドル87セントしかない。明日はクリスマスだというのに・・・」と穴だらけの財布に大泣きしている人
アンデルセンの「マッチ売りの少女」のように、クリマスシーズンの灯りを「孤独」に震えながらみている人
また相手が喜ぶかどうか不安に思いながら贈物を用意し、聖夜をどう素敵に過ごせるか演出に苦しむ恋人たち
・・・・・・そんな時は、ぜひ夜空を見上げてみてください!
12月の夜空は、西に「北十字」、天頂に「冬のダイヤモンド」、星がギュッと集まった「星団」が、キラキラ輝く宝石箱です。でも、眠らぬ都市の東京や横浜なんかで星なんて・・・と思っているかたが意外と多いようですが、都心の六本木ヒルズの屋上のスカイデッキでも、湾岸の横浜のみなとみらいでも、夜景にまけずに3等星くらいまでは見えたりします。
オープニングは、西の夜空に突き刺さる、大きな十字架
ちょうど、去年の今頃の夜20時頃、横浜の大さん橋に星撮りに行ったのですが、これくらいの時間の西の空には、「北十字」と呼ばれる、はくちょう座が、くちばしを地平線に突き刺さるように見えます。
はくちょう座?!と驚かれた人は、七夕や夏の夜空の記憶が残っているからだと思います。そうなんです、天の川を渡る、はくちょう座のデネブ、織姫のベガ、彦星のアルタイルを結んだ夏の大三角形は、12月の夜では、ちょうど沈みゆく空の方向にキラキラ輝きながら退場していきます。
写真は、星の軌跡を重ねたものですが、ちょうど真ん中に北十字がみえるのがわかりますか?
そして、よくみると、右下にベガ、左下にアルタイルがいるのも気づくかと思います。
そして、上を見上げれば、冬のダイヤモンド
冬の星空が大人気な理由は、明るく輝く1等星が多いことと、貫禄のあるオリオン座を簡単にみつけられるからだと思います。そこで、オリオン座をみつけたら、腕を伸ばし、指をオリオン座に向けてみてください。
星空のダイヤモンドが、その指を取り囲む指輪のように、いや、あなたを取り囲むように輝いています!
つなぎかたは、簡単です。時計と反対回りにぐるっと、6つの1等星をかけぬけますので、指をさしながら追ってみてください。
まずは、夜空で明るい星が、
①おおいぬ座のシリウス(青白)
②時計と反対周りに、オリオン座のリゲル(青白)
③おうし座のアルデバラン(赤)
④ぎょしゃ座のカペラ(オレンジ)
⑤ふたご座のポルックス(黄)
⑥こいぬ座のプロキオン(黄)
とつないだ六角形です。
星の色の見え方は、人によって少し違いますが、このあたりで、ひときわ輝く星で華やかなので、きっと見つかるはずです。
星といえば、すばる・・・星団もみえる!
そろそろ寒くなってきたかもしれないので、最後にもうひとつ。千年の昔にブログの女王のような存在だった、清少納言がつぶやいた「星といえば、すばる」。
日本では、むかしから多くの人に親しまれた星団で、自動車のスバルのマークにもなっています。
プレアデス星団とよばれる、この散開星団は、おうし座にあり、肉眼でも5個から7個くらいの輝く星の集まりが見えます。
最初は、もやっと見えるかもしれませんが、だんだん目が慣れると、星の集まりということがわかり、もし双眼鏡をもっていたら、数十個の青白い星が集まっているのが、いきなり目に飛び込んでくるので、その煌めきにかなり感動すること間違いなしです。
そして人工衛星・・・
ここまできて、まだ寒さに耐えられ、パートナーに嫌われないようであれば、星空を駆け抜ける人工衛星にもチャレンジしてみても良いかもしれません。実は、日本のものだけでなく世界で打ち上げられた人工衛星は、たくさんあるため、夜空をじっと眺めていると、すうーっと星空を横切っているのが見えます。ただ、見慣れていないと、ちょっと見つけるのが大変だと思います。さらに、今年のクリスマスの晩は、金井宇宙飛行士がいる国際宇宙ステーションは、日本の上空を通過しないので、来年の1月23日か24日あたりにまでのお楽しみとして、とっておくのもよいかもしれません。もし、自分のいるところから、いろいろな人工衛星の居場所やインタラクティブなスカイチャートを知りたいと思ったら、HEAVENS ABOVEというサイトをのぞいてみてください。(http://www.heavens-above.com)
人工衛星が向かう先は、星空
地球上の人たちは、昔から、あちらこちらで星空を目にしては、新しい星座をつくりだしていました。今ある星座は、1928年に国立天文学連合が、正式な星座名を88個とし、さらに、その境界線を定めたもので、あらゆる太陽系外部の天体は必ずどれかひとつの星座に属することになっています。宇宙からみた地球を教えてくれる人工衛星も、自分の位置を確かめるのに、地球だったり、星図だったりと星を手がかりにしています。
でも、実は、星座の境界線のなかにある、一つ一つの星のつなぎ方は、実は自由なのです。
ぜひクリスマスに、夜空を少し見上げて、きらめく星々に想いを重ねて、いろいろな人と星をつないでみてくださいね!
【この記事を書いたメンバー】
Kaitos(カイトス)
広報部 技術広報課 &技術部RSP-01プロジェクト C&DH系、rsp.横浜支部
趣味は宇宙開発、宇宙教育、星空案内、美味礼賛。7つの海を渡っていろんな空と美味しいものをみつけたい!チョコは、ベルギー派。