技術広報モエです。
今回はRSP-01(次期打上予定の超小型人工衛星)の開発現場へお邪魔してきました。
いつもは各系、各人が個別に開発をすすめているリーマンサット・プロジェクトの人工衛星開発ですが、月に何回か集合して開発を行います。
RSP-01チーム開発の様子です。
今日もRSP-01チームはビシッと開発しているな~
ん??
なにかニコニコしてマジックアームのようなものを手にしている人が。
モエ「マジックハンドで遊んでるんですか?」
「マジックハンドではなく自撮り機構アームのプロトタイプです。」
これは失礼しました。
伸びたり縮んだり。これがどのようにRSP-01に実装されるのか、楽しみです。
リアクションホイールが届いた!!
RSP-01に搭載予定のリアクションホイールのモーターが届きました!
リアクションホイールとは…
リアクションホイールはモーターの回転する力の反作用を利用して衛星の回転や姿勢を制御する搭載機器です。イメージとしては下の動画を見てください。
<ISAS(宇宙研)一般公開2002年 リアクションホイールの原理>
宇宙機に関わるものとしては、ちょっとテンションの上がるモノです。
RSP-01メンバーも、ほとんど皆リアクションホイールを見るのは初めて。
開梱時は「おぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~(これがあのリアクションホイール・・・!)」という声が漏れました。
早速、仮の固定位置を描いてみる姿勢制御系リーダーYさん。
計算式をパパッと書き出す姿勢制御系の二人。
モエ「この式はなんですか??」
Yさん「衛星が安定した姿勢を保つために必要な条件を書いているところです」
姿勢制御系はしょっちゅうホワイトボードに数式を書いている印象があります。
映画に出てくる科学者みたいでかっこいいです。
トルクコイルの温度変化を計ろう!
熱構造系Hさんは、トルクコイルの温度変化をデータロガーで計測しはじめました。
姿勢制御に使うトルクコイル、運用時に温度が上がる部品の1つです。
あまり温度が高くなると他の搭載機器に影響が出るので、
トルクコイルの運用時にどのぐらい温度が上昇するかを確認する必要があるのです。
5Vの電圧をかけて、まずは地上の環境で温度がどれぐらいあがるかを計ります。
じわじわっと温度があがっていますが、40度前後であんまり変わらなくなりました。
そのまま1時間計り続けます。
コイルを触らせてもらいました。
ちょっと熱いお風呂ぐらいでした!
Hさん「47度で温度が安定しましたね」
開始から13分で室温から一気に20℃程度上昇して、あとはあまり変化がなく安定したグラフになっていました。
「運用時の許容温度が60℃が最大値なので、問題ないですね」
今回は室内(地上の環境)で計測したので、次は真空環境で計るそうです。
ユニバーサル基板モデルを作成!
C&DH系のMさんは、ユニバーサル基板モデルを作成中。
部品の配置を確認しながらユニバーサル基板にはんだ付けしています。
モエ「ところでユニバーサル基板ってなんですか?」
Mさん「ユニバーサル基板は、市販のキットなどで売っているプリント基板と違って、どんな回路でも自由に組み立てることができる基板です。逆に言うと、配線も全部自分でやらなければいけません。
部品を取り付けるための穴が縦横に並んでいて、この穴に電子部品の脚を差し込んではんだ付けしながら配線することで回路ができます。」
はんだ付け中。
モエ「どうしてこの基板が必要なんですか?」
Mさん「ユニバーサル基板作成の目的は、部品配置の検討、配線確認、電気的特性の検証です。
BBM(ブレッドボードモデル)ではわからなかった、基板の中のノイズ、電圧レベルが分かります。
この段階で問題が見つかれば、早いうちに設計修正できるというメリットがあります。またプリント基板の製造待ちの間に、これを使ってソフトウェアのデバックが進められます。」
36g、軽っ!
こんな感じで、着々と開発を進めているRSP-01チームです。
開発スケジュールが早いので、目が離せません!
RSP-01メンバーの活動を応援したい!サラリーマンに頑張ってほしい!という方は、
ぜひ以下をご覧ください。
参加メンバーも募集中です☆開発メンバーだけでなく広報、バックオフィス系も大歓迎。
【この記事を書いたメンバー】
技術広報もえ
趣味は宇宙開発と阿波踊り
好物はビールと焼肉