技術広報&RSP-01 C&DH系 のKaitosです。
Happy Valentine Day!
とのことで日本のどこが凄いかというと、世界中の美味しいチョコが東京に集結すること。チョコ大好きな女子としてはたくさんチョコを貰いたいのに、奮発しても自分の口に入ることなく、なんとなく苦手なマシュマロが返ってくる…。だったら自分のために美味しいチョコを食べ尽くそう!ということで、毎年2月は給料が吹っ飛ぶほど、チョコを味わい尽くします。
最近は宇宙ものも多く、ショコラブティック レクラ の太陽系の惑星シリーズなんて、食べるのがもったいないほど美しい…。本当は全惑星を一気に味わいたいのですが、毎年いち惑星ずつにしています。
昔からある宇宙チョコといえば‟明治アポロ”!
円錐形で側面にギザギザが入っている‟明治アポロ”は、1969年7月21日に人類初の月面着陸に成功し、7月24日に地球に帰還したアポロ11号の司令船(帰還モジュール)がモチーフとなっています。
また、1982年にスペースシャトルによる宇宙飛行のお供として宇宙食のひとつに初めて選ばれたチョコレートは、あのカラフルで砂糖でしっかりとコーティングされた‟M&M’S®”のチョコレートでした。宇宙に持っていくには、やはりチョコもしっかり周りをコーティングしないといけないんですね。
同じく、‟プラリネ”というチョコも、実は最初はベルギーの老舗のノイハウスが苦い薬をチョコレートでコーティングをして薬局で販売したことから生まれたもの。ガナッシュやプラリネやキャラメルなどセンターと呼ばれる中身を、クヴェルチュールと呼ばれる薄いチョコレートでコーティングされている、いわゆる‟ショコラボンボン”の定番は、いまやいろんなデザインがでていますが、定番はチョコレート色のキューブ型。センターに何が入っているかは一見して判らないので、中身の説明が書いてある仕様書を見たり、ショコラティエと会話を楽しみながら選んで味わいます。
このセンターとクヴェルチュールの味には、チョコレート職人であるショコラティエの想いや個性あふれるアロマがぎゅっと凝縮されます。角食パンのような超小型人工衛星のCubeSatも、一見して中身が判らないですが、どのCubeSatにも、それぞれミッションやレシピや材料が異なり、画一的ではない独創的な持ち味が生み出されるのと同じ。
そう考えると、ショコラティエもチョコレートのカカオ含有率や風味や質感、強度や温度など知識のみならず、センターに何をどう入れるかのアイデアや繊細な加工技術が求められるわけで、宇宙開発にすごく向いているかもしれません。
さらに”バタロン”といわれるこの一口大のチョコを保護するため仰々しいほどの「チョコレート専用の箱」を考案したのも、プラリネを生み出したノイハウスでした。超小型人工衛星もこれからはcubeだけでなく、ハートやらいろんなデザインの筐体が出てくるかもしれません。
今年もベルギーチョコを買い込んだので、いつもあらゆる角度からリーマンサット・プロジェクトの魅力を伝える広報部の技術広報課とイベント課メンバーといくつかチョコを分析してみました。
筺体にあたるチョコレートがフランス式に薄かったり、ベルギー式に固かったり、トリュフとなるとも柔らかい生チョコ状態…慎重にカットして、構造を見ます。そして、シャンパンやらフランボワーズやら山椒など、濃厚なとろけるチュコと香り豊かなフレーバーひろがりを楽しみます。
実は、ベルギーが発祥の地であるプラリネや、クーベルチュールは、国際規格により「カカオが35%以上」でチョコのおいしさを引き出す「カカオバターが31%以上を含有すること」、さらにカカオバター以外の油脂を使用してはいけないと厳しく定められています。
ちょっと昔にヨーロッパでチョコレートの定義について論争がありました。
「人の好みにあわせてカカオに混ぜ物をしてもチョコレートだ」と主張するイギリス等の「自由派」に対し、ベルギーを中心とした「純粋派」は「カカオ100%でなければチョコレートではない」と主張。結局、自由派が勝利し、EU全域では規制緩和されたのですが、ベルギーではカカオ以外の植物油を使わないとの精神を貫いているのです。そういうわけで、ベルギーチョコのカカオのコクや滑らかさは、国際的にもお墨付き。
美味しさを歌いたくて、本当はカカオに混ぜ物しているけれどベルギーチョコに影響をうけた風味だとして、ベルギー風チョコレートと書いてあるチョコ菓子も世界でよく見かけます。
そうは言っても、スイスチョコはミルクたっぷりとそれぞれお国柄が出たり、好みは人好き好き。日本で育った私は、小さい時から明治チョコも大好きで、今も毎日持ち歩いています。
小さな一粒が大きな幸せや想いをたくさん運ぶチョコレート。リーマンサット・プロジェクトの超小型人工衛星も同じように、たくさんの想いや夢を運んで地球のみなさまに幸せを伝えられていけますように…