技術部RSP-01ミッション系の伊藤です。
先日来、いつもリーマンサットが開発を行っている工場に恒温槽が設置されました。
恒温槽とは…
「科学実験で用いられる器具の一種。長時間一定温度に保つことができるような制御を施した容器である。主に、槽内部の温度を一定に保つため、周囲環境からの温度変化の影響を防ぐことができる構造になっている。」 (ウィキペディアより引用)
というわけで、衛星開発では搭載する機器の温度耐性を測ることなどに用いられます。
試運転を兼ねてRaspberry Pi用として販売されている魚眼レンズタイプのカメラを恒温槽でテストしてみました。
<1回目テスト>
Raspberry Piとカメラを接続して恒温槽に設置し、1分間毎にインターバル撮影を行いました。内部のLEDランプは100均の改造品です。電池駆動だったのを外部電源で光るようにしています。
温度条件は-40℃まで下げた後30分間状態保持、+80℃まで上げ30分間状態保持です。
Raspberry PiはCPUの温度情報が取得できるので、そのログも併せて記録してみました。
(ちなみに恒温槽の温度とは概ね5℃程度の差異です)
結論:カメラ動作に問題なし。
<2回目テスト>
次は限界までやれ!という指令のもと、-40℃まで下げた後、+130℃まで上げてみます。温度上昇は80℃からは5分ごとに5℃ずつ上げています。
結論:カメラは120℃まではなんとか動作するものの、その状態維持は不可。
<追記>
カメラ壊してしまったか…と思いましたが、再度動作確認したところ使えるようになっていました。熱の影響が引いたあとは動作可能になるようですね。
只、LEDランプの透明樹脂は大変なことになっていました(でもよく頑張ってくれました!!)
本当はこのサイクルを何度か繰り返すことで、耐久性を測るのがベターなのですが、それはまたの機会に。
以上、恒温槽を使ったカメラの耐熱試験でした。