技術部の園田です。
2019年3月17日(日)~18日(月)、第8回「小型衛星の科学教育利用を考える会」が茨城大学の水戸キャンパスにて行われました。
「小型衛星の科学教育利用を考える会」とは、
衛星開発は大人のみならず、子ども達にも大きな関心を引き起こす。しかし、小学校・中学校等における理科教育の内容(地球、宇宙など)は、衛星との具体的な関連付けは必ずしも容易ではない。大学や高専等では、衛星開発のプロセスを教育として用いることが行われ、さらに、天文家による光学的な衛星の観測などの協力体制が構築されつつあり、社会教育上での効果も期待される。以上から、“小型衛星”と“教育”をキーワードとし、興味あるメンバーが情報や意見の交換等を行って、小型衛星の可能性を考察し、今後の協力体制等を追求するための研究会だそうです。
リーマンサットチームの講演は、17日のプログラム「趣味縁などにおける宇宙の学びの可能性」セッション(3本)の1番目として行われました。
招待講演3 「趣味は”宇宙開発”アマチュア集団が可能にした身近なものを宇宙につなげる活動」加藤学・鬼頭佐保子・星諒佑(リーマンサット・プロジェクト)
(1) 鬼頭さんの講演
元々、星や宇宙が好きで「星のソムリエ」や「JAXA宇宙教育リーダー(SEL)」をしており、活動を通じてJAXAの人からリーマンサットを紹介されました。男性ばかりで怪しい団体かもしれないと思ったものの、宇宙にはあまり興味なくても楽しめることを語った素敵な女性メンバーがいたので、大丈夫だと思い参加したとのこと。
現在は「技術広報課」や「イベント課」で活躍されています。
技術広報課・・・宇宙開発と技術を伝える
イベント課・・・イベントという場を通して「伝える」、「つながる」、「つなぐ」
「趣味は宇宙開発」により可能になったこと
・世代を超えたバックグラウンドが異なる人々と共に宇宙を素材として「共創」・「共育」していく
・「つながる」から「つなぐ」へ
※鬼頭さんは都合によりSkapeによるリモート講演でした
(2) 加藤さんの講演
工学系の出身で、仕事は情報系、宇宙・天文は子どもの頃ら好きだったものの宇宙関連の経験はなし。社会貢献としてプロボノ活動をしていたとき、知り合った人がリーマンサットで活動しており、参加したとのことです。
社会人・学生が「趣味」として宇宙開発プロジェクトを進めていく上での課題
・1日あたりに割けるリソースが少ない
・メンバーの出入りが多い
・開発に無理強いできないが、どこかで誰かが無理をしないと打ちあがらない
「趣味は宇宙開発」を可能にした「こと」
・仕事ではできないことを試すことができる
・リーマンサットで得られたことを仕事に活かすことができる
(3) 星さんの講演
法律家で、リーマンサットでは知財法務部に所属
「仕事と趣味は二項対立か?」という命題を検討されました。
・仕事はもちろん趣味にも「法律」がからんでくる
例えば
スポーツ:ケガをさせてしまったりモノを壊してしまった →「民法」
趣味の宇宙開発:「宇宙活動法」をはじめ様々な法律がからむ
・仕事を趣味を分けて考えられるのか?
法律家としては 仕事≒趣味
文系と理系は二項対立か?
・宇宙活動法 ⇔ 安全性基準
文系的 理系的
リーマンサットに参加したことにより
・仕事と趣味に重なり合う部分があることを気づけた
・仕事と趣味が相乗効果を生み出す
最後に、登壇されたメンバーの感想です。
鬼頭さん「急な喘息で講演できないとなるところ、急遽Skypeでやらせていただき、ページめくりや中継までしていただき、今は本当にみなさまに感謝しかないです。」
加藤さん「 技術的な話がなく、アウェー感満載でしたが、趣味×宇宙開発の醍醐味を伝えることができて、良かったと思います。ありがとうございます。」
星さん「“趣味は宇宙開発”を考えるフレームワークが得られました!貴重な機会をありがとうございました!」
※研究会の講演資料は、下記のホームページで公開されていますので、ご覧ください。
趣味は宇宙開発、って言ってみませんか。↓リーマンサットってこんなところ↓