「技術書典というイベントにRSP-00開発エピソードをまとめた書籍を出します。表紙を書いてくれますか?」
技術書典とは、いろんな技術の普及を手伝いたいとの想いで始まったイベント。技術書を中心として出展者はノウハウを詰め込み、来場者はこの場にしかないおもしろい技術書をさがし求める、新しい技術に出会える技術に関する人のためのお祭りです。
今月22日に開催される”技術書典7″に、2018年秋に打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)から放出された超小型人工衛星「RSP-00」の開発に関わった技術メンバーがエピソードをまとめ書籍を出すとのこと。その表紙の話が私の元にやってきました。
イラストはノートに落書き程度に書くくらいの完全なる趣味の領域です。一瞬、尻込みましたが、”挑戦したことのないものに気軽に挑戦できるのがリーマンサット!”ということで、引き受けることにしました。
【表紙テーマ】
「国際宇宙ステーションのきぼうからRSP-00が仲良く放出される写真をかわいいイラストにしてほしい。」
参照イメージ:http://jda.jaxa.jp/result.php?lang=j&id=eef5e39b2f0be2ffe7a67991e109fe5
【完成した表紙】
「きっと宇宙空間へ放出された人工衛星たちは、はじめてみた青い地球をみて喜んでるはず。ワクワク感をだしたい!」
メンバーに意気揚々と完成した画像をおくりました。
私「今、協力してる技術書典の表紙なんですよ(^-^)」
Kさん「技術書典の表紙ですか(^-^)」「………大変!一ヶ所、違う箇所あるよ!」
指摘された箇所をよく見ると、
私「あ、、、やってしまった(固まる)」
慌てて修正し、こちらが完成した表紙です。
さて、皆さん、修正前とどこが違うか分かりましたか?
「星の数が多い」「そもそも構図が違うよね」「色も違うぞ」「え、これって何大陸?」など細かい所を気にしてはいけません。広い心でみてくださいね。
答え
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どんっ!
正解は「国際宇宙ステーションの太陽電池パドルの位置」でした。
「太陽電池パドル」は、国際宇宙ステーションの無数に太陽電池が張られた翼のような部分。
イラストの位置のまま放出されたら太陽電池パドルにぶつかって、あやうく大惨事になる所でした(^^;
太陽電池パドルのお仕事は、太陽の光を電力に変えること。
宇宙空間には電線も電源もないので、国際宇宙ステーションを動かすために必要な電力は太陽の光を利用しているんです。国際宇宙ステーションが太陽光に照らされている昼間に太陽電池は発電し、各システムへと電力を供給していきます。小型衛星放出機構がある日本実験棟「きぼう」も、国際宇宙ステーションの本体で作られた電力をもらい、実験用の機材などを動かして様々な研究や実験が進められています。
国際宇宙ステーションは、1周約90分で地球を回っていて、1日に16回も地球の影に入ります。太陽電池は太陽の光を受けている間は発電できますが、地球の陰に入ると発電できません。地上で太陽電池が夜になると発電できないのと同じで、夜になると太陽電池からの電力は得られなくなってしまうんです。
そこで、夜はバッテリーの出番。昼間、太陽電池でつくられた電力を国際宇宙ステーションの各システムへ供給するとともに、バッテリーにも電力を蓄えておきます。そして夜になると、昼間バッテリーに蓄めて置いた電力を使って運用を行います。昼と夜、太陽電池とバッテリーの電力を交互に使って運用を行うのは、超小型人工衛星も一緒です。
水や空気を供給して宇宙飛行士の生命を維持するのも、実験や観測に使う機器を動かすのも、すべて電力が必要。
電力がなければ機器を動かすことも,もちろん人間が生きることもできないんですね。
調べれば調べるほど奥が深い、電力の世界・・・。
最後に、リーマンサットの技術広報メンバーによる国際宇宙ステーションの豆知識をご紹介。
序の口
上空400kmほどの所を秒速約8kmで飛行しており、1日は90分。45分毎に昼と夜が訪れる。
レベル1
Googleアースで国際宇宙ステーションの中をみることができる。(Kさん)
レベル2
日本実験棟「きぼう」は、日本の所だけ配線がキレイ。(Aさん)
レベル3
日本実験棟「きぼう」には冷凍庫がある。けど実験用なのでアイスとかは入っていない。(Mさん)
技術書典7は2019年9月22日です。会場でお待ちしています\(^-^)/
技術書典7で『RSP-00「激レア」開発記~趣味で人工衛星を開発して、宇宙にいっちゃいました~』出します!
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リーマンサット、2022年2月末から4月3日までクラウドファンディング中です。
「憧れを宇宙へ! あなたと宇宙で “人工星座” を作りたい!!」
https://readyfor.jp/projects/rymansat4
私達がこの衛星で作ろうとしている「ロマンチックな人工衛星」と「人工星座」は、きっともっともっと皆さんと宇宙を近づけます。
皆さまのご支援をどうかよろしくお願い致します。
【この記事を書いたメンバー】
広報部 イベント課 なりたゆか
とりあえず宇宙ポストに「ロケットの打上げが見たい!」と投函したら、そのメッセージが載ったロケット(と人工衛星)の打上げを見ることができたラッキーな人。6人のSMAPが好き。