こんにちは! 超小型人工衛星 RSP-01技術広報のKaitosです。
2020年度に宇宙に打ち上げる予定のRSP-01の開発は、いよいよ終盤に入ってきました。今回は、RSP-01の1月の進捗報告をお届けしたいと思います。
事始めと初詣!
1月の事始め!
この日も朝から工場で開発をしていたのですが、せっかくなら午後から来るメンバーと一緒に初詣に行こうと言いながら、開発に没頭。気付いたら外は真っ暗になっていました。
とはいえ、新年の乾杯前にちゃんと開発の成功を祈ろう!と、暗闇のなか、みんなでゾロゾロと近所の神社に詣でてきました。
ということで、心あらたに開発スタート!
リアクションホイール実験
超小型人工衛星は90分に1回地球の周りをまわるのですが、宇宙空間は無重量なのできちんとバランスをとりながら方向を変えたりするのが難しい状態です。そのためには姿勢制御機能が重要で、RSP-01では「リアクションホイール」という装置を使っています。
「リアクションホイール」のしくみを簡単にいうと、ハンドスピナーのようにくるくる回るモーターの回転する力の反作用を利用して、人工衛星の姿勢を制御するものです。
これまでは、RSP-01の筐体の中でコマンドの指示どおりにアクションホイールがきちんと回るか等を机上で検証していたのですが、今回は空間に吊るしてみて、ホイールがきちんと姿勢を制御しながら回るかを実験しました。
新しい太陽パネルの検討
いわゆる「ひまわり」といった人工衛星や「はやぶさ2」といった探査機をみると、宇宙空間での電源確保には太陽光を利用したソーラーパネルを使うことが多いです。RSP-01でも、10センチ四方の筐体の5面にソーラーパネルを貼り付けていました。
しかし、開発を進めていくにつれ、いろいろな機能を搭載して動かすと今まで使っていたソーラーパネルでは電力が足りないかもしれないということがわかってきました。
実際に全ての機能を結合し、筐体を組み立てた上で動作確認をしてみたところ、このままでは十分な電力を供給することが難しいことがわかりました。
電源は、超小型人工衛星にとっては心臓のようなもの。
十分な電力を確保するために、新たなソーラーパネルとそれを貼り付けるための基板を開発することにしました。まずどのような素材がいいか、どのように貼り合わせるとよいのか、それに伴い、筐体の中に組み込んである電源基板をどのように変更すればよいのかといったことを検討しています。
開発で大事なことのひとつは、どんな部品であれ厳しい宇宙環境に耐えられるか、きちんと動作するかを繰り返し試験をして確認することです。
まず新しいソーラーパネルの発電効率をソーラーシュミレーターで確認しました。
また、貼り付けたソーラーパネルの強度を確認するための振動試験も行いました。
RSP-01のジャケットの衣替え!
RSP-01にとってソーラーパネルは、地球をバックに自撮りする筐体に羽織るかっこいいジャケットでもあります。
今回、新しいソーラーパネルに取り替えることになり、一回組み上げた筐体を解体。
新年を迎えて、もっと暖かいジャケットに衣替えです!
そして、もちろんデザインも一新。これに新しいソーラーパネルを貼り付けたら、かなりカッコよさが増すのではないか?!と楽しみです。
RSP-01プロジェクト、新たな組み上げと完成に向けて、もうひと頑張りです!
これまでの超小型衛星RSP-01についてはこちらをどうぞ!
【この記事を書いたメンバー】
Kaitos(カイトス)
広報部 技術広報課 &技術部RSP-01プロジェクト C&DH系、rsp.横浜支部
趣味は宇宙開発、宇宙教育、星空案内、美味礼賛。7つの海を渡っていろんな空と美味しいものをみつけたい!チョコは、ベルギー派。