こんにちは、リーマンサット・プロジェクト 広報部 技術広報課&UAV(無人航空機)サークル リーダーの横山です!
不要不急の外出自粛の中ではありましたが、リーマンサットでは宇宙に関連したモノづくりのオンラインブレインストーミング会(ブレスト会)を5/9(土)に実施してみました。オンラインでの開催でありながらも、多くのアイデアが出てきて大変盛り上がりました!
そこで、三密を避けて自宅にいながらも半日程度で実施できるオンラインブレスト会のやり方を紹介したいと思います!
まずはvol.1:事前準備編として、アイデアブレスト会を開催するにあたり、事前に準備することを本記事で紹介します!
※次回の記事vol.2にて実践編を紹介させていただきます。
アイデアブレスト会の事前準備
- Web会議ツールの導入
- 仲間集め
- ルール・ゴール・テーマ設定
- 事前宿題(自己紹介とマンダラートの作成)
Web会議ツールの導入
ZOOM
オンライン飲み会にも使われているWeb会議ツールです。スマホアプリもありますが、PC版の方が画面共有等がやりやすいです。事前にZOOMのホームページからアプリをダウンロードしましょう。インストール方法や使い方はインターネット上で多数紹介されているので本記事では省略します。今回はZOOMを使用しましたが、音声通話と画面共有ができるツール(ex. Google Meet/Skype/Microsoft Teamsなど)であれば何でもOKです。使用するPCにマイク、カメラ、スピーカーが搭載されているか事前確認しておきましょう。
Google Jamboard/スプレッドシート
次に紹介するのがGoogle Jamboardというホワイトボード機能と付箋機能を持ったオンラインツールです。皆で付箋を共有しながらアイデアブレストできるのでオススメです。使い方は後述で説明します。スプレッドシートは全員のアイデアをまとめ、共有するのに使用します。スプレッドシートはアイデアをまとめるのに使用するだけなので、WordやExcelをZOOMで画面共有するやり方でもOKです。Googleホームページ(上図の①、②参照)から両アプリを利用できます。
LINE
ブレスト会メンバーとの日程調整やアイデア投票するために使用します。ブレスト会の最後に皆で出したアイデアを投票するので、匿名投票機能のあるLINE投票が大変便利です。今回はLINEを使用しましたが、メンバーの使い慣れているツール(Slackなど)であれば何でもOKです。ブレスト会の調整や当日の進行がやり易いものを使いましょう。
仲間集め 人数目安:6〜8名程度
アイデアブレスト会を開催するにあたり、できるだけ多様なメンバーを集めた方が色んなアイデアや意見が出ます。今回はリーマンサットメンバー UAVサークルメンバーだけでなく、異業種の方々をお誘いして実施しました。PDエアロスペース 宇宙ハウス、メーカー勤務、公務員、音楽家、起業家の方など、本当に多様な方に参加いただきました。自分では発想できなかった考えが生まれやすいですし、普段関わることのできない方達と交流できるので単純に楽しいです。ただ人数が多すぎてもブレスト会の収集がつきません。今回は7名(声かけ時点では12名ほど)で実施しましたが、皆で議論するのに丁度良い人数でした。皆のスケジュールを合わせるのが難しいので多めに声をかけてみるといいです。
ルール・ゴール・テーマ設定
今回のブレスト会の一番の肝になるのがルール/ゴール/テーマ設定になります。これらを設定していないとブレスト会の内容が発散してしまい、議論の収集がつかなくなってしまいます。実際に設定した内容を紹介します。
ルール設定
まずブレスト会のルールについて、下記4つのルールを設定しました。
1. アイデアは”質より量”とする
初めて参加する方もいますし、参加者の中には知らない方もいる場合があります。今回のブレスト会では、参加者の方々にアイデアを出すのって楽しい! 異業種の方々との交流って楽しい! と感じてもらいたかったので、アイデアの質を求めるのではなく、とにかくアイデアを沢山出せる環境、参加メンバーの個性が尊重される環境に重点をおきました。
2. 参加者のアイデア・意見は絶対に否定しない
アイデアを否定してしまうと、前向きな意見が出なくなってしまいますし、ブレスト会が楽しくなくなってしまいます。1のルールと内容が被りますが、お互いがアイデアの質について牽制し合っても仕方がないです。皆のアイデアを良くするために時間を使う方が遥かに重要なため、このルールを設定しました。
3. 夢や創造性に富んだアイデアを語ろう
皆がワクワクするようなアイデア、心が踊るアイデアでないと意味がありません。イカれたアイデア大歓迎です。現実的な実現方法やビジネス面は後から考えるとして、まずは少年/少女時代に戻って、ぶっ飛んだアイデアを出しましょう!
4. アイデアが選ばれた人が一番偉いのではない
アイデア出しが好きな人ほど、自分の才能や能力を信じて、自分がNo.1と思ってしまいがちですが、それでは誰も協力したいと思いません。皆でアイデアを高め合って、協力できることこそが素晴らしいと感じる心持ちが大事です。1人が偉いのではなく、皆が偉いことを意識することがブレスト会成功の秘訣です。
ゴール設定
次にブレスト会のゴールを設定します。ブレスト会のゴールとは、このブレスト会を通して参加メンバーが得ることのできる成果/結果です。今回は次のゴールを設定しました。
1. 人脈が広がる(Have a relationship!)
僕自身が人と関わるのが大好きなので、このゴール設定をしました。今回のブレスト会は、これまで交流したことのない異業種の方々と楽しく交流ができ、人脈を広げる場としています。宇宙ベンチャーや起業家の方々、自分が勤めている会社以外の方まで幅広く声をかけて参加いただきました。
2. アイデア出しの機会(Put three ideas out per person!)
参加メンバー全員がアイデアを3件以上出せることをゴール設定にしました。1人のアイデアを一方的に話すだけでは皆が楽しくなくなってしまいます。また1人当たり1件のアイデアを出すよりも沢山出した方がアイデアの幅も広がると考えたので、3件以上を設定しました。皆でこれらのアイデアをブラッシュアップできる、楽しめるブレスト会だと最高ですよね!
3. アイデア優秀賞発表(Elect three ideas!)
最後に、全員のアイデアの中から3件のアイデアをLINE投票で選出し、優秀賞を発表するようにしました。皆が平等かつ客観的に良いと思えるアイデアがどんなものなのかを把握することができます! ゴール設定については以上になります。最後にアイデアのテーマ選定についてお話しします。
テーマ設定
アイデアのテーマ(Who:誰に、What:何を、Why:どんな目的で)を決めます。※やっとブレスト会記事っぽくなってきました(笑)。本当は5W1H(Why、What、Who、When、Where、How)まで設定できれば良かったのですが、今回のブレスト会は半日の時間に限られていたので、Where:どこで、When:いつ、How:どうやっての部分は省略しました。
まずは、今回のアイデアをWho:誰に(顧客に)使ってもらうか? そして、Why:なぜこのアイデアをやるのか? を決めます。まず今回のWho:顧客は、子供(幼稚園〜小学校低学年)に設定しました。設定理由は、子供の頃にスペースシャトルやスターウォーズを見たのが宇宙を好きになったきっかけという人が多かった点です。そして、そんな子供たちが今後も増えてくれるといいな〜という思いも込めて、今回のアイデアのWhy:目的 は、未来の子供たちに宇宙好きになってもらえるきっかけを作るためと設定しました。次に子供達にWhat:何を使って楽しんでもらうか? です。リーマンサットらしくモノづくりもやりたいし動くものを作りたかったので、What:動力源を有した子供が遊べるものをテーマに入れました。最後にアイデアブレスト会をやるなら新しいこと/未来感があること(宇宙ですね! )をしたかったので、ブレストテーマは、子供が遊べる、動力源を有した、未来(宇宙)の〇〇 にしました。〇〇がアイデア名になります。
ブレストテーマ:子供が遊べる、動力源を有した、未来(宇宙)の○○
Who:子供(幼稚園〜小学校低学年)、What:子供が遊べるもの、動力源を有したもの、Why:宇宙を好きになってもらうきっかけを作るため
事前宿題(自己紹介シート・マンダラート作成)
参加メンバーやブレスト会の大枠が決まったところで、あとは参加メンバーにブレスト会に向けた事前宿題2つ(自己紹介シート、マンダラート)を実施してもらいます。そのやり方を記載します。
1. 自己紹介シート
スライド1枚分の自己紹介資料を作って、1分程度で話せるように練習しましょう。ブレスト会で初めて顔を合わせる人がいる場合の自己紹介用に使用します。会話のきっかけにもなるのでオススメです。今回のブレスト会に限らず、仕事やイベント関連でもこういった資料を作る時があると思うので作っておいて損はありません。本記事の一番下の備考欄に書いている僕の自己紹介レベルで問題ありません。普段の趣味を書いていると、皆が話題に触れ易いです。
2. マンダラート
次に子供が楽しめるものをマンダラート形式でピックアップしていきます。マンダラートとは、アイデア発想手法の1つです。紙や白板などに9つのマスを用意し、それを埋めていくという作業ルールを設けることで、アイデアを整理・外化し、思考を深めていくことができます。現在、メジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手も、高校一年生の時、監督の指導を元にこのマンダラートを活用したそうです。※詳しい内容はここでは割愛させていただきます。
まず参加メンバーが子供の頃に楽しかったものはどんなものがあったか? そして、それらはなぜ楽しかったのか? という価値の深堀を行なっていきます。1st Step(上図:左側)ではマスの中心に子供が楽しめるもの(黄色の付箋)を配置します。その周辺8マスに子供の頃に楽しかったもの(緑色の付箋)を記載します。ここでは動力源がなくても全く問題ありません、子供の頃に楽しかったものをピックアップしていきます。
次に2nd Step(上図:右側)にて、子供が楽しめるものが、なぜ楽しかったのか? の価値の深堀を実施します。例えば、僕は子供の頃にレゴブロック が大好きでした。大人になってみて、なぜ楽しかったのか? その理由を8つ考えてみた結果がこちらです(上図:右側)。レゴブロックが好きだった理由の1つに、かっこいいゴール(完成形)が分かっている。と書きました。僕の子供の頃のレゴブロック は(今もそうかもしれませんが)、パッケージの完成写真に海賊船だったり/かっこいい建物が載っていました。こんなカッコいいものが作れるんだ、楽しそう! って思い、親に買って欲しいとせがんでいた記憶があります。自分が子供の頃のエピソードを盛り込んだ方が色んなネタが出てきて面白いです。子供が楽しめるもの8つ(緑色の付箋)と、それらが楽しかった8つの理由(青色の付箋)を事前宿題で埋めていきます。全部を埋め切るのは大変なので、埋められるところ迄でOKです。
Google Jamboard
最後に皆で共有しながらマンダラート作成できるツール:Google Jamboardを紹介したいと思います。Web会議ツールの導入の項目で紹介したGoogleアプリ一覧からJamboardのアプリを選択しましょう。下記のような画面が表示されるので、右下にある +ボタン(新しいJam) をクリックしてください。
新しいJamをクリックすると、白紙のJamboardが作成されます。このJam内の白板を増やしていき、参加メンバー分の白板を共有します。Google Jamboardは付箋を自由に白板に貼り付けたり、白板自体の数を増やすことができます。付箋の色も青色、黄色、緑色とバリエーションが豊富なので、アイデアをカテゴリ分けしやすく、皆で作業できるので使いやすいです。白板の背景も変更することが可能です。
※ただ大人数でJamboardにアクセスすると動作が重くなることがありました。僕はMacユーザーでSafariを使用していたのですが、Jamboardにアクセスすると動作が重かったので、Google Chromeを試してみると改善しました。動作が重い方はGoogle Chromeを試してみてください。
最後に
長々と書かせていただきましたが、ここまで準備できれば、あとは当日のブレスト会を残すのみとなります!
次回の記事では、5/9(土)のブレスト会の様子をガッツリ紹介していきますので、宜しくお願いします!
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リーマンサットメンバーの活動を下記にまとめました。ぜひご覧ください!
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【この記事を書いたメンバー】
横山 尚也(よこやま なおや) 広報部 技術広報課/名古屋支部/UAVサークル リーダー。PD AeroSpace 宇宙ハウス第4期メンバー/企画渉外担当。趣味は宇宙開発/国内外を旅すること/異業種交流会の企画/音楽鑑賞/甘い物を食べること。